番外10 「そこに座ってくれ」 『・・・・・』 「話は聞いているんだろう?」 『聞いてるわ』 ゴスロリ系のファッション誌のモデルの話しである 全く持って気が乗らず 嫌だと言ったのだが 聖護が長期で戻らないという理由で 泉宮寺の邸に預けられることになったのだ モデルの話は、この目の前にいる男が 丁度いい子がいると私の話しをしたことが原因だ 連れて行かれた先で対面した スタイリストは、目の色を変えて メイクの色合い、予定していた服の色合いの調整を始めた 「新零ちゃん、どうやったらこんな色白で綺麗な肌が保てるのかしら」 『何もしてないわ』 化粧どころか外に出ないのだ、ダメージを与える要素がない 「なら、この髪の毛はブリーチしたの?傷みもないなんて」 『地毛よ。脱色もしてない』 「まぁまぁ・・・本当に、人形みたいな作りね」 テンションの高いスタイリストにため息しか出ない 心なしか、周りにいるスタッフも怖い 実際にメイクも終わり衣装を着て 細かく指定されるポーズを強要されたが 表情は求められなかったのが救いだ 何着が着せられたが 彼女らの1番のお気に入りの写真は ただ椅子に座っている写真らしい 「本当に人形みたいね」 「そうね、メイクがなくても、そう見えるもの」 「綺麗に出来すぎてて怖いわね」 もう疲れたから帰りたい 用意されたスタジオに座り込みながら本をめくれば パシャリとシャッター音がした 後から聞けば、予定していたページ数よりも追加で 枠が設けられたらしく、何気ない写真が欲しいらしい 「その時の雑誌がこれか」 電子書籍をめくりながら、何やら楽しそうだ 「酷く不機嫌な顔だ」 『当然よ、帰りたいって言ってるのに写真撮ってくるのよ』 「だが、メイクをしている君も新鮮だな 女は化けるというが、君にも当てはまるようだ」 『そう・・』 「僕は、そのままの君がいいが これは、これで悪くない」 『・・・・・・』 「お疲れ様、新零」 『本当よ・・・もう、長期で外出なんてもうやめて欲しいわ』 「考えておくよ」そう言って、頭を撫でた ←→ 目次 |