14 図書委員は通年だから、また先輩に会える。なんて思いながら後期の委員決めの様子を眺めた。百合や夏葵には、本当に好きなら、もう告白してしまえばいいのにと何度も言われたけれど、それができずにいるのは、今の関係が心地よいと思っているからかもしれない。先輩も受験生で今年、卒業してしまうから、あまり時間はない。でも大事な時間だから邪魔をしたくないと思うのと、もし振られたら残りの時間を捨てることになってしまう・・・そんな葛藤で何もできない 本当は、憧れているだけで、好きなんじゃないんだろうか・・・ 「椿、あれっ、今週当番だっけ?」 『先輩、当番じゃなくてテーマ展示の企画を練るために来たんです』 「あぁ、なるほど」 突然の先輩の笑顔に、どきりとして、やっぱり好きだなぁと思う その夜に“テーマ何になった?”と先輩からメールが来た “女の子が主人公の物語をテーマにする感じです” “なるほどね。それだと・・・・” 色々と本のタイトルの並んだメールを保存した 正直、知らない本ばかりだ “先輩、主人公が女の子の本が好きなんですか?” “好きだけど?だめ?” “いつもSF物を読んでるので、ちょっと意外でした” “いろんな女の子に会えるからね。もちろん、SFも好きだけど” “先輩、どんな女の子が好きなんですか?” “そうだな。冒険物の闇持ち主人公とか、かよわい子より元気な方がいいな” “それ、本の話しですか?” “うん。あれ、そうじゃなかった?” “じゃぁどっちもで” “リアルなら、性格重視。優しい子がいい” “そうですか。男の人ってやっぱり、胸が大きい人が好きなんですか?” “・・・椿、どうした。恋煩いか?いつでも先輩が相談に乗ってやる!!” “結構ですよ。テーマ展示のPOPに描く女の子のスタイルを考えていたので” 苦し紛れのメールを送って携帯を閉じた お風呂に入って戻ってくれば、携帯のライトがメールの受信を知らせている 開いてみれば、本のタイトルと主人公の女の子の名前 それから、どんな容姿をしていて、どんな格好なのか詳細に書かれている。つまり、私にこの女の子をPOPに書いてほしいということなのだろう。 “先輩は、背の高い女の子は好きですか?”と送れない自分が情けなかった 『荒北、ズボンの丈、合ってないよ』 「あ?」 『また背、伸びたの・・・?』 「知らネ。こーいうのは、曲げときゃわかんねーだろォ?」 7分丈ぐらいに巻き上げられたズボンを眺めながら、線が取れてしまうではないかと、もやっとした。散々兄の制服にアイロンをかけてきた私が言うのだから間違いない・・・ 「椿こそ、太ったんじゃねぇのォ?」 『むしろ、痩せました』 「へぇ?」 『うわ、その顔ムカツク』 「荒北、女子に太ったなど聞くものではないぞっ」 「うっぜ」 「うざくはないなっ!!久しぶりだな、椿さん」 『久しぶり・・・ねぇ、東堂くん1回さ、カチューシャ外してみて?』 「ん?これか、構わんよ」 『・・・・・・・・・』 「言っだろ」 『うん』 「何の話しだ?」 電車の中で、なぜ東堂はカチューシャをするのかと話していたので気になって外してもらったのだが、無い方がいいような気がする。たしかに、髪を上げてもわかる美形・・には違いないが・・・・・うーん。常にしているというのも珍しいなと思う 「まぁ、していた方が、美形が際立つからな。椿さんもしてみたらどうだ?」 『カチューシャしないわけじゃないけど、そんな風におでこは出したくない』 「昔は前髪なんてなかっただろ」 『・・・そうだけどっ!!』 ベリーショートの時は、前髪も短かったからおでこなんで出しっぱなしだった 今は、重くならない程度に前髪がある 2人と別れて教室に戻って、夏葵と話をする 途中から、遊びに行ったときの写真焼いたから持って来たと百合も合わさって3人で話していた。寮であうのだから、後でいいのにと言えば、今朝受け取って来たのだと言う。そういえば朝食の時間にいなかったな、なんて思い出した。 ←→ 目次 |