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「なんで女のくせに、そんな恰好してんだよっ!!」
『だって動きやすいし、スカート似合わないし』
「他のやつみたいに、髪の毛伸ばしたりしねぇの」
『えー、邪魔だし。好きでやってんだからいいじゃん!!靖友に関係ない。それに、スカート穿いたら靖友たちと遊べないし。好きだからこの服着てるし、髪だって短くしてるの!!人に言われて直すつもりない』
「・・・そうかよっ!!お前らしくていいんじゃなぁい!!」


はっきりと会話を覚えているわけではない
だが、その時の俺の言葉に対して一瞬ぽかんとして、嬉しそうに笑った椿を思い出して
やっと意味を理解した。
椿にとっては、認められて、裏切られたのだ
それなのに今更何を言ってるんだと言われても仕方がない。


「お前、椿のこと好きなのかよっ!!」
「見たぜ、楽しそうに2人で話してんの」
「ち、ちげぇよっ!!そんなんじゃねぇ!!」
「お前、あんな男みたいなやつがいいのかよっ」
「つーか、椿って本当に女なのか?」
「言えてる、実は男なんじゃねぇの?」
「女だろ、どう見たって!」
「あいつのこと庇うのかよ」
「やっぱ好きなんだろ、椿のこと」
「違うつってんだろ!!」
「なぁ、椿!!靖友が」
「てめっ、バァカ!!ふざけんなっ!!」
「痛ってぇ、必死ってことは、やっぱ好きなんだろ?」
「椿っ!!ちょっとこっち来いよ!!靖友が話あるって」
「はぁっ?!バカっ、おい放せって!!」
『呼んだ?』

きょとんとした椿の手を引っ張って男子便所に押し込んだ
カッとなって色々と言った。おとこおんなだって言ったのも、あれが最初だった気がする。全部言い終えて、あいつの顔を見てやりすぎたと内心思ったはずだ、今でも覚えているくらいだというのに、煽った奴らと一緒に笑って、その場を離れたのだ。
あれから、一緒に遊んだ記憶はない。声もかけず、気づいたときにはクラス替えがあって女友達と普通に話して遊んでいるのを見かけた。髪も服装もそのままで、ただ偶然会ったときに気まずくて無視しようとした俺に対して、“おはよ”と挨拶をしてきたことには驚いた。中学でも特別無視はされなかった。


金曜日、福ちゃんの元を尋ねれば、椿は今日学校を休んだと言った
あれだけ泣けば、目腫れてんだろうなと思う
怒らせはしたが泣かせたのは俺じゃないと思いたい

「椿のこと、思い出したのか?」
「まぁね」
「あいつはいいやつだ。真剣に話せばわかってくれる」
「そーだね。ありがと、福ちゃん」

土日もあって、月曜日には確実に学校に来るだろう
そうしたら、ちゃんと全部話して、せめて元の状態に戻りたい

「ところで、靖友」
「なんだよ。つーか、ここ俺の部屋なんだけどォ?勝手に入ってくんな」
「謝って誤解が解けてどうするんだ?」
「無視かヨ!!」
「全部話したら、おめさんが椿さんのこと好きだったってことがバレんだから、告白みたいなもんじゃないのか?」
「・・・・・・・・・・・」
「だったじゃねぇか、進行形だったな」
「・・・・・・」

は?告白?誰が誰に・・・あ?
俺はあいつに謝って・・・・・・・

「考えてなかったって顔だな」
「・・・・」
「現状フリーつっても、許してくれたところで付き合うまで話はいかねぇだろ」

謝るつーことは、照れ隠しでやったっつーことで
なんで照れ隠しかっつーと・・・あれだ

「ヒュウっ、頑張れ靖友。じゃぁな、俺は部屋に戻る」

・・・そういや、どうすんだ
つーか、振られんじゃねぇの俺



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