29 昼食中、傍で食べていた女子たちが、ずっとダイエットだの体重が増えただのと休み中話していた。すぐ目の前で、まだ食うのかというほど食べている新開を見ると、運動すりゃぁいいのにと思う。 「椿って、体重気にすんの?」 『気にする。前にも言ったけど、体重なんて女子に聞くもんじゃない』 「じゃぁ、当てっからじっとしてろ」 『っ?!』 手で計ってやろうと腕を伸ばせば、思いっきりに逃げられた 何度か体に触れたし、ウエスト周りからしても重そうには見えない・・・そこまで気にすることねぇのに 『どれくらいあったら、重いと思う?その前に、荒北っていくつあるの』 「前計った時で63」 『良かった・・そうだよね、筋肉あるし。たまにいるでしょ?よくわからないくらい軽い男子』 「お前が好きなひょろいやつか」 『べ、別にひょろい人が好きなわけじゃない!』 事実だろと言いたいところだが、話が長くなるので黙っておこう 『で、荒北の思う、重い数値は』 「・・・・60」 『・・・・・』 昼間話してた連中があげていた数値が50がどうのと言っていたが、椿の方があきらかに背があるので、多めに見積もったが少なかったか?けど、この前支えた時でも、俺ほどあるようには感じなかった 「60あんの?」 『ない』 「じゃぁ、いくつだよ。別に気にしねぇから早く言えよ」 『気にしないならいくつでもいいじゃない』 「隠すから気になんだろ」 『・・・・・・っ、ちょっと来ないでよ』 「なら、逃げんなよ」 じりじりと下がって行く椿が背を向けて走ろうとしたので、後ろから抱きかかえてひざ裏に手を入れた。やはり重くない 『ちょっと馬鹿じゃないのっ?!降ろしてよ!!』 「50くらい」 『・・・違う、じゃなくて、早く降ろしてって』 「女の子憧れのお姫様抱っこだろォ?」 『そうだけど、恥ずかしいから降ろして』 「おうおう、顔赤いヨ」 『もうっ、調子に乗るなっ!!』 「体重言ったら、降ろしてやっから」 『・・・・っ』 「このまま、寮まで戻るか」 『え?やだ、勘弁してよっ』 「なら早く言えよ」 堪忍したのか、俺の首に腕を回し耳元で小さく“53”と言った。背にしたら、やはり軽いんじゃないかと椿を降ろしながら思う。大体、合ってたじゃねぇか 『・・・50くらいまで落としたいの』 「それ、痩せすぎて体に悪いんじゃナァイ?」 『モデルの人って、それくらいだから。大丈夫』 「ダイエットとかすんなよ」 『・・・』 「そのまんまでいいから、普通に食って運動しろ」 『だから、筋肉つきやすいから』 「別に気にしねぇ」 『荒北には、一生わかんない!!わかる?気に入ってた細身のパンツが太ももで止まる感覚』 「違う服着ればいいだろ」 『そういう問題じゃないのっ!!』 まじで反論してくるので、相当ショックだったことだけは伝わってくるが理解はできない 『荒北は、脂肪なさ過ぎて不安になるんだけど。新開くんくらい食べたら?』 「俺とあいつ、1kgしか変わんねぇよ」 『・・・・・・・・・・・』 大きな目がぱちぱちと瞬きされる 俺も、信じられねぇから似たようなもんだが 「普通に食っても、変わンねぇの」 『羨ましい・・・』 「運動量考えろ」 『・・・・そうだね』 「女は、がりがりより、肉があったほうが柔らかくて」 そこまで言いかけて、鋭い視線がやや下から向けられ咄嗟に口を閉じた ←→ 目次 |