3 荒北靖友という男とは、幼稚園から中学まで同じ学校だった 幼馴染というわけでもなく、昔は一緒に遊ぶこともあったが小学5年のころに“おとこおんな”という言葉と共に男子トイレに閉じ込められたのだ。それが未だに許せず、見事にブラックリスト入りしているものの口もきくし、特別無視をしたことはなかったが、できれば関わりたくなかった。 実際、小学校のころは女子と付き合うようになっても半袖短パンで短い髪に赤いランドセルに被せた紺色のカバーのせいか男子の見た目に近かった。それでも、男子トイレに閉じ込められるというのは嫌だったし、扉を閉められる直前に言われた“きもい”の一言は、少なからずズキリと痛むところがあった 適当に校内を周りながら、いそうな場所を探すが見つからず 校庭の隅に座り込んでいる影を見つけ、その独特な頭に一度視線をそらした 『荒北、授業ぐらいちゃんと出たら?』 「あ゛?」 『クラス委員の子が先生に頼まれたって困ってたよ』 「はっ?知るかよ。つーか、椿がなんでここにいんだヨ。大人しくあっちの高校通っときゃいーだろーが!!」 『それは、こっちが言いたいくらいよ。大体、なにその頭。時代遅れすぎ』 「っせぇな!!お前こそ、また男みたいな髪型してんのかよ。このおとこおんな!!」 『ファッション雑誌みないわけ?女子の髪型ですけどぉ・・・・もういいや、言うこと言ったし、授業始まるから私帰る』 「さっさと帰れ、うぜぇな本当。まだ女に媚び売ってんのかよ」 『は?媚びなんて売ってないけど?』 「紳士気取りが」 『ヤンキー気取りに言われたくない』 時計を確認して、小走りに校舎に戻る 本当に腹が立つ、お前に言われたくない 大体なんだ、あのリーゼント。今時流行らねぇよ 本当、なんでよりにもよってアイツと同じ高校なんだ ←→ 目次 |