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妹どもは勝手に友達と初詣に行くと言って出かけて行った。親も揃って初詣に出かけた、行くかと聞かれたが、ガキじゃねぇんだからと断った。新年だっつーのに1人で越すことになるとはなぁ・・・なんて、思った矢先に携帯が音を立てた。


『あ、荒北!!』
「寒いつーのに、呼び出すんじゃねぇよっ!!」
『ごめん。嬉しいくせに』
「るっせっ!!」
『ワンコールで電話出たくせに』
「・・・・・」
「じゃ、俺は和希達のとこ戻るからな。靖友、ちゃんと家まで送れよ」
「っす」
『千昭兄ありがと』

初詣に行くから、行かないかという誘いだった。寒から出たくないという気持ちもあったが、椿の誘いを断るのも嫌だった。まさか、あの兄貴たちに囲まれるんじゃないかと思ったが傍に立っていた(多分3番目の)椿の兄は、ただの付添だったらしい。どんだけ過保護なんだか

『今年も色々ありましたが、来年もよろしくお願いします』
「新零チャンは、泣いてばっかだったけどな」
『うるさい』
「事実じゃねぇか」
『千昭兄に余計なこと言ったでしょ。秋都兄に笑われたじゃんか』
「事実だからなァ」
『・・・・・・』
「さっさと行くぞ。つーか人が多すぎんだヨ」
『来たくなかった?』
「そーいう意味じゃねぇよ。ほーら、手かせ」
『・・・・・・』
「迷子になりてぇのォ?」
『それは、困る』

背が近いと手繋ぎやすいんだな・・なんて前を歩いている男女を見ながら思う。・・・手に握ってんのか俺。そういや、こういうのも初めてだ。デートらしいデートなんて1度もした覚えがない。そもそもクリスマスも何も全部部活だった。隣で、兄の話をしている椿に耳を傾けつつ、周囲を見渡す。あいつらも来てんだよな・・・会いたくねぇ。

「新零チャン、もこもこしてんネ」
『ん?だって寒いし』

ニット帽にマフラーにスキニーにブーツとは、肌が見えてんのなんて手と顔くらいだ
「寒いのに、手袋はしてねぇのな」
『・・・・・・・・』
「・・・わざとォ?」
『う・・・千昭兄が』
「へぇ〜」
『荒北の手、暖かい』
「カイロ使うゥ?」
『左のぽっけには入れてるから平気』
「用意周到だネ」

鼻先が赤い、マフラーで口元も隠れているし、手の冷たさからも寒いのだろう。家を出た時間を考えても、もうすぐ年が変わる・・・色々あったな、なんてありすぎて振り返れないくらいある。部活のことも椿のことも


『あけましておめでとうございます。今年もよろしく、靖友』
「・・・良い返事をお待ちしてマス」
『何それっ』
「・・・・・・つーか、お前、今」
『1回しか言わない』



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