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朱里と仲直りが出来て、バレーが出来て嬉しかった。
普通に話すことができただけで、嬉しかった
また私と口を利いてくれるんだって、バレーしてくれるんだって嬉しかった。

・・・もしかしたら、荒北も同じだったのかもしれない




『荒北』
「あ?」
『写真撮ろう?』
「なんで」
『なんとなく』
「・・・」
『記念?』
「なんの?」
『同じクラスになりました』
「もう1か月以上経ってるけどな」
『そうだけど』
「・・・一緒に撮るのォ?」
『うん。朱里の携帯に、2人で写ってる写真あって羨ましかったから。撮りたい』
「・・・・めんどくせぇ」
『すぐ終わるからさ』

携帯のカメラの向きを変えて自撮りできるようにして荒北に顔を寄せれば露骨に避けられ、少し不服である。

『・・・・』
「・・・・・・」
『笑わなくてもいいから』
「そういう問題じゃねぇの」
『気恥ずかしいと』
「っせ。ちょっと貸せ」

荒北の手に携帯が移った、確かにその方が距離は遠くなるので撮りやすいのかもしれない・・・
カシャと短く音がして画像を確認すれば、まぁなかなか

「新零チャン、こっち向いて」
『何?』

短くカシャと音が鳴った

『撮るなら、ちゃんと撮って』
「俺は撮らせねぇからな」
『・・・わかった。可愛く撮らなかったら、絞める』
「・・・・・おう」

カメラ向けて適当な顔を向けた
なんてこともなさそうに携帯の画面を見ている荒北をちらりと見てから
シャッターに合せて、思いっきり笑ってやった

その後すぐに、携帯を荒北に向けてシャッター音を鳴らした
「バァカ、今の消せ!!」と言う荒北の手を躱して写真を見返せば、驚いた荒北が携帯画面を眺めている。これは、これでなんだか嬉しい。後ろから抱え込まれて、消せと唸る荒北の手から逃げていると向かえから、シャッター音がした。何かと思って顔を上げれば、またシャッター音

『・・・・・』
「新開てめぇ、」
「仲が良さそうで、ついな」
『あとで、送って』
「は?ンでだよ!!消せよ」
『荒北の写真、気になるし』
「わかった。後で送っとくな」
「つーか、お前いつから連絡先知って」
「1か月くらい前か?」
『そうだね』
「・・・・・てめぇ、まさか、あん時の写真・・椿に送ったんじゃねぇだろうな!!」
『どのとき?』
「あの写真は、送ってねぇけど、他のは送ったぜ」
『え、なにそれ。気になるじゃん。新開くん、後で送ってよ』
「絶対、送るんじゃねぇぞ」
『なんで、駄目なの?あの時って、プレゼントの写真でしょう?』
「そうそう、あの時の。本当は、もう1枚あってさ」
「それ以上、言うんじゃねぇよっ!!」

荒北の腕が身体から離れて、新開くんの方へ向かった
そんなに嫌がる写真って、どんなものだろうか言われると逆に気になる


今度、カメラでちゃんと写真を撮ろう・・・
アルバムの続きに入れておきたい
途中からいなくなった男の子の写真が戻ってくるのだ



その日、寝る前に携帯が短く震えた
新開くんの名前に、昼間の写真かなぁとファイルを開けば、荒北があのネコのぬいぐるみを抱きしめている写真で手が震えた。あの男が、こんなことをするのかという驚きと優しそうな表情にドキリとする。もう寝るつもりだったのに、しばらくは寝れそうにない・・・。写真の情報からして、前の2通の前に来る写真だ。
新開くんに、ありがとうと返信を送って、画面をさっきの画像に戻した。ぬいぐるみが好きなのか、猫が好きなのか、3つ目の選択肢は考えずに目を閉じた


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