49

最近、ますますわからない
むしろ前よりもごちゃごちゃとしていて
何が足りないのかわからない
少女漫画でよくある、恋に落ちる瞬間というものがない
朱里に言われたこともわかってきた
この前行われたレースも見に行って、なんだかとても嬉しい気持ちになった

「もう好きなんでしょう?」
『どうだろう』
「どうだろうってことはないでしょうが、馬鹿新零」
「他の男子が目に入らないってことはさ、もう荒北くんしか見てないんだから」
『そうだけど。そうだけどさ・・』
「ドキドキと緊張感求めてんの?」
「それなら、もう満たしてんじゃないの?前より荒北くん、積極的だし?」
「もうさ、1回キスしてみたらいいんじゃないの?」
『なっ・・・え、だって』
「実際、ハグしてたりするんでしょう?」
『ハグはした』
「他は?ほぺちゅーとか」
『した』
「された?」
『おでこに』
「・・・・他は?」
『額くっつけたり?』
「・・・・・それで何もなし?」
『うん』
「新零は、それでドキドキしないっていうの?」
『そりゃぁ、恥ずかしいから照れるけど』
「手繋いだりするでしょ?」
『たまに』
「夏葵さんや、」
「何です百合さん」
「新零さん頑固すぎやしませんかね?」
「もう、好きって言っちゃえばいいじゃない?」
『だめ。はっきりしてから・・・あー・・・でも』
「でも?」
『インハイまでは、我慢するって言われたから。返事もそれからかな』

2人に信じられないという顔をされた。我慢するってことは私からは何もしない方がいいと判断したのだけど違うんだろうか。それより早く答えが出たら・・・。
テーブルに額を付けてぼそぼそと話しかけた

『ねぇ』
「ん?」
『一緒にいて楽しくて、相手のことが知りたくて、相手が機嫌良いと嬉しくてさ、誰かに盗られたくなくて、純粋に好意を嬉しいと思うのはさ。もう、好きってこと?』
「私はそう思う」
「私も・・・でもさ、新零が納得してないなら」
「そうそう、向こうも待ってくれるんだから、慌てなくていいんじゃない?」
『・・・・・もう、わかんない』

わからなくて、苦しくて、泣いてしまいたい。こんなにうだうだ言ってるくせに、荒北が私の事を好きじゃなくなったら嫌だと思うのだから本当に我儘で、どうしようもないくらい自分勝手で・・・

「最初会ったときは、あんなにサバサバした中性女子だったのに。2年後にはこんな乙女になっちゃってさ」
「本当、人間何が起きるかわからないね。青春してますって感じで羨ましいよ」

頭を撫でてくれる親友に感謝しながら部屋に戻って、布団に入った。



目次
ALICE+