02



「最近、どうだ?」
「ちゃんとクラスで友達できたし、喧嘩もしてない」
「体調は」
「いつも通り」
「そうか、顔色も悪くねぇな・・・環境変化は知らないうちにストレスになるから、気を付けろよ」
「うん。そうだ、昨日、社に轟くんが来てたの」
「轟?」
「家近いの知らない?」
「そういや、そうだったかもな」

いつもなら家に様子を見に来てくれるけれど、先日のヒーロー科の授業中に起きた敵の襲撃で包帯ぐるぐるの大怪我をした消太に、あの階段を上ってもらうわけにもいかず学校の1室に呼び出してもらうことにした。

「怪我大丈夫?」
「お前に嘘をつくと面倒だから、正直に話す。怪我は、両腕の粉砕骨折、顔やら眼の周りやらも骨折してる。処置も終わってるし、リカバリーガールにも見てもらってるから、そう心配はいらん」
「後遺症は?目、やったんでしょ」
「まだ完治してねぇから、はっきりしねぇが。個性は使えるが、インターバルは長くなったような気がする」
「・・・・・・」
「お前にできるのは、せいぜい俺が使わなくていいようにすることだな」
「うん・・・・っ」
「泣くなって言っても、お前は泣くからな」
「よくご存じで」
「何年の付き合いだと思ってんだ」
「・・・っ、だってわかってるけど」
「・・・・ま、事件早々に泣きついてこなかっただけマシになったな」

やはり包帯姿は痛々しくて、見ているだけで不安になる。過去何度もあったが毎回私は泣いていた。近しい人がいくらヒーローでも傷だらけになるのはつらい。たとえそれで大勢が助かったとしても素直に喜ぶことができない。犠牲はない方がいい、本人も含めて。

「轟の母親と病院一緒だったな」
「そう、だからちょっと話してみたいなぁって」
「珍しいな、お前が男に興味持つなんて」
「そうだよね・・自分でもそう思う」
「まぁ、いい傾向だろ。世の中半分は男なんだから、いい加減慣れろよ」
「うん・・・・」
「話は、変わるが。体育祭があるの知ってるな」
「うん」
「まぁ、毎年ヒーロー科がメインになるが、もちろん他の科だって上位にあがってきたって問題ねぇ。お前は、どうしたい」
「目立たずに終わりたい」
「いいんだな、それで」
「うん」
「わかった、校長にはそう伝えとく」
「お願いします」
「じゃぁなんだ、また何かあれば連絡でもいい、直接でもいいから言ってこい。表上の立場は変わったが、他は何も変わってないからな」
「はい」
「今日は、これで終わりだ。さっさと家帰れよ」
「わかってる!ありがとうございます、相澤先生」

いつもなら、頭にぽんと手を置かれるが今はそれができないため、さっさと教室から出て行った。ドアを開けようと慌てて席をたったが、器用に足で開けて出て行った。廊下を走るなというくせに、教室のドアを足で開けるなんて教師としてどうなんだろう。


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