03



「私も知らないよ?」

椿の個性について姉に聞けば、返答は予想外だった

「新零ちゃんの入院や通院理由は個性が関係してるんだと思うから、聞けなくて」
「通院理由も知らないのか?」
「うん。あんまり聞ける雰囲気でもなくて・・・」

何か考えるように視線を下げた。何か心当たりはあるのだろうが、直接は聞いていないのだろう。仲の良い姉が知らないのであれば、自分が聞いたところではぐらかされるのがおちだ。




休日用のランニングコースを少しだけ変えて走っていると丁度いい階段を見つけたので上がってみれば、先に社が見えた。入り口に鳥居があったのだから当然と言えば当然だ。高台にあるからなのか、神聖な場所だからなのか澄んだ空気と独特の雰囲気に足を止めた。駆け上がったせいで乱れた息を整えるために深呼吸をして、手くらい合わせるかと奥へ進もうとした時だった。

「あれ、轟くん?」
「椿?」
「ランニング中?よく来てくれるの?」
「いや、今日はいつもとコースを変えただけだが・・・ここお前の」
「うん、私の家。もちろん、住居はあっちだよ」

指された先を見ることなく、椿の恰好を頭の先からつま先まで見た。あいつらが知ったら見に来そうだな・・・と、少し思った。

「それ、巫女装束ってやつか」
「そう、お社の手伝い」
「・・・・・・」
「轟くんの家、うちからそれなりに近いのに中学も小学校も違ったから会わずじまいだったんだよね」
「知らなかった」
「冬美さんも知らないと思うよ?」
「そりゃぁ俺が知るわけないか・・・。そうだ、手、合わせてっていいか?」
「もちろん」

掃除中だったのか、振り返れば竹箒を引きずっているのが見えた
「邪魔したな」と声をかければ、にこにこと笑って手を振られた

階段を降りきり、これを椿は毎回上り下りしてるのか・・・と長い階段の上へ視線を向けた



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