02

「君が佐野若葉さん?」
後ろから呼ばれて、振り向けばそこには
「あ。」
サッカー部のキャプテンさんがいました。

サッカー部。それは私にとっては魔窟です。理由はただ一つ。要注意的な人物が3人いるから。
そんな3人のいる部活のキャプテンさんが私の目の前に。恐ろしさのあまりに魂が抜けそう。けれど、どちらにしても天河原中のサッカー部は危険なラフプレーで有名。正直……
このキャプテンさん、目つきが鋭いんですが。

私は思わず戸惑う。
「え、え、と。な、なん、で、すか…」
思わず片言になる。でもキャプテンさんは
「そんなに緊張しなくていいよ。悪いようにはしないし」
と、小さく笑った。
(……あれ?)
星降さん達とは違った、ふわりとした雰囲気。
(いい、人……なのかも)
サッカー部だからと悪い人とは限らない。私は勘違いをしていた。
「あ、それで話したいこと、ていうか頼みがあるんだけど」
「頼、み……?」

サッカー部のキャプテンさんは喜多一番と名乗ったまぁ、それはいいとして。
喜多さん、貴方を一瞬でも……地獄の使者かと思った私を許して下さい!
でも、仕方ないんですよ。喜多さんはありえないことを言ったんですもん。

「とりあえず、考えておいてくれないか?」
「え、あ、はい」
反射的に返事をしてしまった。
喜多さんは「それじゃ、また今度」と言って去った。
「………む、」
無理です!絶対!

マネージャーをやるだなんて!!


「あ、若葉。喜多に聞いたんだけど、サッカー部のマネージャーやるんだって?」
偶然すれ違った星降さんは私にそういった。
え、ていうか私、まだやるとは言ってないんだけど…。喜多さんが言ったのかな。それを伝えると
「ふぅん…」
興味なさそうに言った。まぁ、マネージャーやったとしてもマトモに扱われないんだろうな。ああ悲しい。
「えぇっと。……あの、そういうことなので」
「やらないの?」
え。なにが?
そう思ったのが顔に出ていたのか、星降さんは
「マネージャー。」
と、呆れた顔で言う。
私がマネージャーになりたくないと思う元凶が何を言う。……なんて言えないので。
「や、やりたいなーとは思ってるんですけど…、やっぱり大変かなー、て」
適当にごまかしておく。すると
「大丈夫じゃない?特に始めたばっかりの時期は俺らがサポートするし」
え、これって、マネージャーやれって流れ?
「で、でも、私サッカーとかさっぱりわかんないし……」
「それぐらいなら教えるけど?」
な、なんかもう……
「てワケだからマネージャー、やりなよ」
……敗北!

本日、私はマネージャーになってしまいました。