人は人 吾はわれ也E

恐ろしい事件を目の当たりにし、北様たちの取り調べを受けて黒尾様に家まで送ってもらったあの日から、数日後。いよいよ今日という日がやってきた。私と、黒尾様たちの作戦を決行する日。それがこの、よく晴れ渡った青空が広がる今日だ。

日夜世間を脅かす恐ろしい事件、婦女連続殺人事件。その犯人と疑わしき人物として浮上したのが、私の店で働く新人の女給であった。彼女は幼い頃に家事に遭い、両親を失い、自身の体にも大きな火傷の痕を負った。体や顔に目立つ傷跡が残るというのは、女性にとっては相当気になるものだろう。それでも彼女は、健気に働き懸命に生き、明るく頑張っている。私はそんな彼女を心から尊敬していたし、今でも信じている。犯人は彼女ではない。きっと、別にいるんだと。

それを実際に私自身の目で確かめるべく、私は北様に提案した。どうか彼女の事は私に任せてくれないかと。危険を伴うことは百も承知で、どうかお願いしますと必死に頼み込んだ。最初こそいい反応をしなかった北様だったが、私のその熱意に負けて、渋々承諾してくれたのだ。黒尾様たちの監視を付けるという条件付きで。現在昼の14時。まだ店には何人かの客が入れ替わり立ち替わりで賑っていて、例の彼女も女給として仕事をこなしている。ぱたぱたと忙しなく働く彼女の姿を横目で見ながら、私は黒尾様に言われている指示を頭の中で繰り返していた。




『証拠が何もない以上、今の段階ではその女性が犯人だとも、犯人じゃないとも言えない。ただもし犯人だった場合、必ずそれを証拠付けるものが必要になる』
『証拠……』
『名無しには、明日普通に一緒に働いてもらって、仕事が終わった後、その女性に一緒に帰る誘いをしてほしい」
「一緒に帰ればいいのですね』
『犯行が行われるのは、いつも決まって深夜…。言ってしまえば、ちょうど名無しの店が終わる時間帯なんだ。だから、彼女がもし犯行に及ぶとしたなら、その時間しかない』
『俺たちは名無しとその女の後を尾行する。女がお前を襲ったら、俺たちがその現場を押さえるって寸法だ』
『かなり危険な作戦だが…やれるか』

皆の目が、私を真っ直ぐ見つめる。もし本当に彼女が犯人だった時、下手をすれば私は殺されるかもしれない。皆にも危険が及ぶかもしれない。それでも、私には不思議と恐怖心は無かった。だって、黒尾様たちがいる。彼らが傍にいてくれるのなら、きっとどんな事だってやり通して見せる。

『…できます。必ずやってみせます。世の為…、そして皆さんの為に』
『…分かった。絶対に成功させよう。この事件を解決するのは俺たちだ』

何だか少しだけ嬉しい。まるで、私も黒尾分隊の一員になったみたいだ。こうして皆さんのお役に立てる日が来るなんて。まだ彼女が犯人かどうかは分からないけれど、でも必ずこの作戦を成功させて、結果を出す。そして一緒に事件を解決するのだ。人々が安心して暮らせるように。これ以上の犠牲者を増やさない為にも。

『名無し、絶対に無茶なことはすんなよ。俺たちが常に傍で待機する。何か少しでもおかしいと思ったり、危険だと思ったら俺らを呼べ』
『はい、分かりました』
『…俺たちが守る』
『…はい。信じています、黒尾様』





緊張の時は、刻一刻と近付いてくる。いつもと変わらぬ仕事をこなした私と彼女は、閉店して静まり返った店の中で二人取り残されていた。ここまでは順調だ。空いた席の机や椅子を綺麗に拭いている彼女に近付く。

「もうすっかり遅くなっちゃったね。最近物騒な事件も起きてるし、私が家まで送っていくよ。一緒に帰ろう」
「え…、でも、そうしたら名無しさんが帰り遅くなってしまうんじゃ…」
「私は大丈夫。そんなに遠くないし。ね、一緒に帰ろう。一人じゃ危ないわ」
「…………、はい。では、お言葉に甘えて」

彼女は、一瞬の間の後にようやく承諾してくれた。返事をする間に、一体何を考えていたのか、私には知る由もない。彼女が一体何者なのか。その正体は何なのか。それは、これから全てが分かる筈だ。私たちはその後片付けを終え、お互いに帰り支度を済ませ、真っ暗な店を後にした。外はしんと静まり返っていて、人気も一切無いように感じる。しかし恐らくどこかで、黒尾様たちは待機してくれているのだろう。そう思うと、彼女と二人きりのこの状況も怖くはない。大丈夫、平常心で、ただ一緒に帰ればいいだけなのだ。彼女が犯人じゃなければ、普通に何事も無く家まで帰れる筈。

「えっと、家の方角ってどっちだっけ」
「こっちです」

指された方へと共に並んで歩いて行く。歩いて行く最中、他愛のない会話を交わした。仕事のことや、将来のこと。恋愛のことも。彼女は明るく笑ったり、照れくさそうにはにかみながら、ころころと表情を変えて私と話している。こう見ると、若い年下の可愛らしい女の子にしか見えない。とても、あんな恐ろしい事件を起こすような子には…。その子のその横顔を見つめていると、彼女は唐突に口を開いた。

「私、名無しさんが羨ましいです」
「え?」
「明るくて、健気で逞しくて、女性の芯の強さを持っているというか」
「そ、そんな事ないよ!私なんて、ただの平凡な女だし…、特にこれと言って夢もないし」
「いいえ、私にはとても輝いて見えます。名無しさんの笑顔が、すごく好きなんです」

気付けば、何だか入り組んだ不気味な狭い路地裏へと誘われていて、気付いた時には既に遅かった。ぴたりと足を止めた彼女は、後ろで動揺するように立っている私を振り返る。この場に不釣り合いな笑みを浮かべる彼女に冷や汗が流れ、私は警戒するように身構えた。

「…ねえ、本当に貴女の家、こっちの方にあるの?」
「ふふ…。信じられませんか?私のこと」

ゆっくりと歩み寄ってくる彼女。ごくりと生唾を飲み込みながら、逃げ出しそうになる体を叱咤した。まだだ、ここで逃げ出してはいけない。もしかしたら本当にこっちの方に家があるのかもしれない。まだ犯行に走っていない彼女を犯人だと決めつけるのは早すぎる。もっと何か、確たる証拠が無ければ…。

「私はずっと名無しさんが羨ましかった。綺麗な笑顔、人を惹き付ける明るさ、強さ。いつも軍人の方々に囲まれている、一輪の花…」
「……何を、言っているの…」
「欲しかったんです。貴女のことが…。ずっと、ずっと。憧れだったんです」

ごそごそと着物の袖口を漁った彼女の手に握られているのは、闇夜に光る、大きな包丁。その瞬間、私の中の疑心は確信へと変わっていった。…全て、彼女の仕業だったんだ。一連の恐ろしい事件を引き起こした犯人が、今目の前にいる。じりじりと彼女が一歩こちらに近づいてくる度に、私も一歩後ろへ下がる。徐々に上がっていく心拍数に、恐怖で足が竦みそうだ。そうしている間にも目前に迫った彼女は、私の顔へと手を伸ばしてきた。やられる…!そう目を閉じた瞬間、二人しかいなかったその空間に、無機質な銃を構える音と、聞き慣れた男の声が響き渡る。

「…そこまでだ。大人しく手を挙げて刃物を離せ」

襲い掛かろうとしてきた彼女の背後に、3つの人影。私の背後には、2つの人影。その顔ははっきり見えずとも、私には分かった。黒尾様たちが、助けに来てくれた。ホッと息を吐いて表情を明るくさせる私とは対照的に、刃物を持つ女性はその顔を険しくさせて、その影に向かって怒鳴った。

「誰だ貴様ら…!」
「俺の言葉が聞こえなかったか?刃物から手を離せって言ってんだ」
「その包丁と俺の銃…。どっちが勝つかなんて、言わなくても分かるよね」

闇夜から姿を現した黒尾様と、その隣に立つ赤葦様の手には銃が握られていて、女性に向けてその銃口が向けられている。彼らの鋭い視線を浴びて、女は小さく舌打ちをしながら周囲を見渡した。前には黒尾様と赤葦様と研磨様。後ろには白布様と太一様。逃げ場は完全に失われている。一歩でも動けば、赤葦様の手にある銃が発射されるだろう。彼女にはもう、逃げ延びる道は残されていなかった。

「…いつも店に来てる軍の連中か…。私はまんまとハメられていたって訳ね…」
「…やっぱり…、貴女が事件の犯人だったのね…」

私がその背中に問いかける。彼女はゆっくりと振り返った後、私を見て鼻で笑った。

「誰にも私の気持ちなんて分からないわ。幼い頃に全てを燃やし尽くされて、こんな醜い傷だけ残されて全てを失った私の気持ちなんて…」
「…ああ、分からないだろうな」

私の代わりに応えたのは、黒尾様だった。怒りを含んだその声は低く響き渡る。初めて見る、黒尾様の怒りに染まった顔。それは私も息を呑む程に険しくて鋭い、恐ろしい雰囲気を纏っていた。

「罪のない人を殺すような犯罪者の気持ちなんて、分かるわけねえよ」
「綺麗事を言うな!お前ら軍人だって同じじゃないか!戦争で、何の罪もない人を殺して…、お前たちは私と一緒だ!」
「俺たちを人殺し呼ばわりしようってのか」

怒りに拳を震わせる白布様が一歩踏み出すと、女性は慌てて私の首に腕を回し、その包丁を首元に宛がってきた。一瞬の出来事に抵抗する間もなく、私は彼女に人質として捕えられてしまった。切っ先が喉元に当たって、小さく血が滲む。きらきらと輝く刃には、私の動揺する顔が映し出されていた。

「名無し!」
「動くな!…一歩でも動いたら、この女の首を切る!!」
「テメェ…」

さっきとは打って変わって、立場が逆転してしまったこの状況に、黒尾様たちも表情を険しくさせた。下手なことをすれば、私は死ぬ。私がまんまと捕まってしまったせいで、黒尾様たちは一歩も動けなくなってしまった。首に回った腕に手を添えながら、私はひっそりと彼女を横目で睨む。許せない。例えどんな事情があったとしても、一般の女性を襲い、その体を切り取るなんて。今こうして、実際に襲われている立場になって分かる。きっと被害に遭った女性たちは、とても怖かっただろう。死ぬその瞬間まで、必死に抗い、恐怖と戦って…。まだ夢も将来もあった人の命を奪うなんて、絶対に許せない。

「そこの男。銃口を下して、こっちに銃を投げて渡せ」
「…………」
「早くしろ!この女が死んでもいいのか!」

赤葦様は小さく舌打ちをして、銃を持つ手を下した。駄目、渡しちゃ駄目…!そう言おうとしても、首に回っている女の腕に締め付けられて上手く言葉を発する事が出来ない。私を救う為に、赤葦様はその手から銃を地面に投げた。からんからんと音を立てて転がってくる拳銃は、私と女の少し前でくるくると回って止まる。ふん、と鼻で笑う女は、私の首から手を離し、そのまま地面に突き飛ばしてきた。倒れ込んだ拍子に手を擦り剥いて、切り傷からじわりと血が浮かぶ。ずっと締め付けられていたこともあって、けほけほと噎せ返り生理的な涙が眼に浮かんだ。

「良かったわね、名無しさん。こんなにも愛されて…。この男たちのお陰で命拾いしたじゃない」
「……どうして……こんなこと……」
「こんな傷だらけの私のことなんて、誰も必要としてくれない。私は死ぬまでずっと一人で生きていくのよ…。こんな忌々しい火傷の傷なんかのせいで…!ずっと、ずっと一人で……」
「そんな事ない…。私は、貴女の素敵なところをたくさん知ってる…。いつも笑顔で明るくて、過去にもめげずに一生懸命働く貴女のこと…」
「知ったような口を聞くな!そんなのは、お前が恵まれてるから言えることだ!」

必死の説得も、彼女は聞く耳を持たない。悲しげに揺らぐ彼女の目は、きっと今までにその火傷痕のせいで色々と苦痛な毎日や耐えがたい日々を過ごしてきたことが窺える。確かに、私は知らない。彼女がこれまでにどれだけ苦悩してきたのか。火傷の痛みも、その心の傷も分かってあげられない。だけど、一緒に寄り添ってあげることはできる。決して一人なんかじゃない、そう伝えたいのに。彼女はそれを拒むように耳を塞ぐ。どんな言葉も信じられないと言った様子で、取り乱しながら声を荒げていた。

「綺麗な体を持つ人が羨ましかった。色んな人に愛されている人が羨ましかった。私が失ったもの、得られないものを持っている人が…。だから殺して、それを奪おうとした…。でも奪ったところで、当然それが私の一部になることはない。私は空っぽのまま、ただ殺人を繰り返していく…。もう後戻りなんてできない。ここまで汚れてしまったら、もう私は……」
「そんな………」

女は、赤葦様が投げた銃の元へとゆっくり歩いて行く。その銃を手にしたら、彼女は一体何をするつもりなのだろう。その背中を見つめながら、私も倒れていた体をゆっくり起こした。何だか、嫌な予感がする。それは、銃を手にした彼女が、また私や黒尾様たちに危害を加えて新しい罪に手を染めてしまうかもしれないという事や、そんな彼女に対して、黒尾様たちがしようとしている事も何となく察しが付いたからだった。きっと…、銃を手にしたら、彼女は殺されるだろう。犠牲者を増やさない為に、黒尾様たちの手によって、殺される。彼女に銃を渡してはいけない。私はその光景を見つめながら、ゆっくりと唾を飲み込んだ。向こうでは、黒尾様たちが小さくやり取りを交わしていた。

「……赤葦、研磨」
「…分かってます」
「あの人が銃を拾う瞬間…。そこで勝負を仕掛けるしかない」

研磨様の手が、腰の後ろへ伸びる。何も持ってきた拳銃は一つじゃない。女の素人が握る銃と、普段訓練でも何度も使っている経験者。どちらが勝つかなんて明らかだ。一番取りたくなかった方法だが、こうなってしまってはこれ以上手立てはない。彼女を殺さなければ、こっちの誰かが死ぬ。それだけは避けなければならない最悪の展開だ。

女が銃の元へと辿り着き、地面に落ちているそれを拾おうと腰を屈めた瞬間。研磨様が素早く銃を取り出し、弾を装填した。同時に女の方も、拾った銃を黒尾様目掛けて構え、発砲しようとトリガーに指を引っ掻けている。どっちが先か、緊張が走るその場に、響き渡るのは、私の声だった。

「待ちなさい!!」
「な……、」
「その人たちに手出しはさせない!覚悟!!」

驚いて振り向く女に向かって、走っていく。おい、と止める黒尾様と、一体何事だと目を白黒させる皆の目も無視して、私は勢いよく彼女の銃を握る腕を掴んだ。慌てた彼女が勢いのままに発砲する。パアン、と空に向かって飛んでいく弾を尻目に、私はそのまま彼女の腕を担ぎ、力強く地面に足を踏み込んだ。ぐっと腰を曲げると、何が何だか状況を理解していないままの女の体が宙に浮く。綺麗な一本背負い。それが見事に炸裂して、女の体は地面に叩き付けられた。

「…素直に反省なさい。貴女が今までしてきた事をしっかり償うのです」
「な…、アンタ、なにを……」
「これ以上…、この綺麗な手を罪で汚さないで下さい」

倒れたままの女性の手をそっと握る。火傷の痕こそあるが、綺麗で美しい、女性の手。私の手と何も変わらない。汚いと思い込んでいるのは、他でもないこの女性自身であり、彼女が一番自分の価値を理解していないのだ。

「自分で自分を傷付けてどうするの…。こんなに綺麗なのに…」
「……………」

つー、と彼女の頬を伝う涙。意気消沈したその女性は、そのまま項垂れて大きな声を上げて泣いた。その肩を優しく抱きしめながら、歩み寄ってくる黒尾様たちを見上げる。彼女がしたことは決して許されないし、一生をかけても償い切れるか分からない。けれどどうかせめて、この子がこれ以上自分を傷付けないように。自分のことを自分自身が認めてあげてほしい。そんな願いも込めて、私は泣き崩れる彼女の体を、ずっと支えていた。




ーーーー・・・・



「あの女性の身柄は警察の方に引き渡しました。これで事件は解決ってことですね」
「一時はどうなる事かと思ったが、全員無事で良かった」

あの後、駆け付けた警察の手によって、犯人だったあの女性は連行されていった。黒尾様たちも警察や軍の方に経緯を説明し、恐ろしい連続殺人事件は幕を閉じたのだ。たくさんの犠牲者が出てしまっているので、良かったとは決して言えないが、これ以上悲しい被害が増える前に防げたことに安堵している。これでまた前のように平和な日常が戻って来たということだ。

「それにしても…、」

じー、と集まる、5人の視線。え?とその視線を見回しながら動揺していると、黒尾様は苦笑いを浮かべながら私に問いかけてきた。

「なに、なんか体術の経験でもあるの?」
「あ……、」
「感心する程綺麗な一本背負いだったね」

からかうように笑う赤葦様の言葉に、さっきの自分の行動を思い出す。女でありながらあんな風に勇ましく犯人に向かっていくなんて、恥ずかしいことこの上ない。熱くなる頬を両手で押さえながら、小さく答える。

「その……、父が柔術の師範でして…」
「なるほどね…。知らなかった」
「は、はしたない所をお見せしました…」
「いや、お陰で助かった訳だし…。ちょっとびっくりしたけど…」
「もしかしたら白布より強いんじゃない?」
「太一。もう1回言ってみろ、背負い投げしてやる」

いつも通りの光景が戻ってきて、一気に賑やかになるその場に小さく笑みを浮かべる。良かった、誰も怪我しなくて。それに、彼らの手を汚す事が無くて、本当に良かった。微笑みながらみんなを見守る私の頭に、ぽんぽんと優しい手が乗る、見上げるとそこには、黒尾様がいて。

「柔術に心得があるからって、あんま無茶すんなよ。結構冷や汗でたわアレ」
「ご、ごめんなさい……」
「分かればよし。…にしても、あの時の名無しは随分と男らしかったなあ」
「か、からかわないで下さい!あと、思い出さないで下さい!」
「えー、あんな強烈な光景、なかなか忘れられないだろ。夢に出てくるかも」
「もー!黒尾様!」


軍人として夢を追い続ける彼らには、まだまだこれからたくさんの困難や事件が立ち塞がるだろう。その度に苦しみ悩み、立ち止まる彼らを、こうしていつまでも傍で支えたい。そして出来ることなら、このみなさんの笑顔を守り続けたい。そう心の片隅に願いながら、私たちは共に並んで、帰路に付いたのであった。