中学3年生のお正月に初めて暁と初詣に行った。
写真の中には、おみくじをカメラに向ける私たちがいた。
「志保、明日降谷さん達と初詣だから早く起きてね」
「え、それ暁も来るの?」
「連れて行くって言ってたよ。合格祈願だって」
暁が人混みが苦手だからか知らないけど、
今まで連れだって初詣に行く習慣はなかった。
先日のクリスマス以来、全ての行事が
暁と過ごせる最後だと気づいて
ナーバスになった私に追い打ちをかける
最初で最後の初詣。
「ちょ、暁、重い……自分で立って……」
「眠い……」
お参りの列は予想以上に長くて、
既に立ったまま寝そうになっている暁を支えながら
ぼんやりとお願い事を考えてみた。
受験は自力で何とかなりそうだし、私も暁の合格祈願?
無病息災?家内安全?世界平和?……恋愛成就?
終わりへ向かっている恋愛に、願う事なんてあるのかな。
ああ、泣かずに送り出せますように、とか?
なんて自嘲的な事を考えながら、
相変わらず眠そうな暁と列を進んでいく。
「志保ちゃんは何をお願いしたの?」
甘酒を買いに行くという両親たちと別れ
暁と2人でおみくじを引きに向かう途中。
歩いたことで少し眠気も覚めたのか、
そう聞きながら暁が小首を傾げた。
惚れた欲目か、身長180もある男の仕草に
いちいち胸がときめくのが悔しい。
「内緒。願い事は言わない主義なの」
「………………」
途端に不満顔になった暁の
手を引いて向かったおみくじ売り場。
「せーの」で開いた紙は2人揃って大吉だった。
私のおみくじに書かれた 願望:かなう の文字に
ほっとして、心の中で願い事をもう一度繰り返した。
暁がたくさんの良い人に巡り合えますように……
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