昼休み、東条くんと教室から出て行った志保ちゃんが

1人で走って戻ってきたかと思うと

腕を掴まれて、そのまま人気のない中庭に連行された。



どうしよう、なんて言うから何事かと思ったら

東条くんに告白されて動揺のあまり

断りの台詞を吐き捨てて逃げてしまったらしい。





「逆に聞くけど、どうしたいの?

 すれ違うだけで顔赤くして、近くにいるだけでドキドキして

 緊張してまともに話もできない志保ちゃんは」

「だから、それは、その」



自覚が無いのかもしれないけど、東条くんといる時の

志保ちゃんはどう見ても恋する乙女だ。

にもかかわらず本人は「好みの匂いすぎて

挙動不審なだけで、好きとかじゃない」の一点張り。





「志保ちゃんってさ、中学の頃は

 どこが好きなのって聞いても、匂いが〜とか

 抱きしめられると〜とか、そんな感じだったよね」



「そうだったっけ?」



「でも最近は東条くんの話になると、笑顔が良いよねとか、

 優しくて良い人だよねとか、あと野球部の事とか。

 時々そんな事も話してるの、ちゃんと気付いてる?」



「そう……だっけ」



「私から見れば、それって十分

 お付き合いする理由になると思うんだけどな」



大体、好きでもない人からの告白なら

「どうしよう」なんて迷わないでしょ



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