―あつい。
あつい、あつい、あついあついあつい熱い熱い熱い!!!!
今までジリジリと皮膚の表面を焼くかのような熱さが一転、体の内側が、血管が沸騰するかのよう!
(これは、魔術、回路…?)
体内を巡る魔術回路がのたうち回るかのように暴れている。
更に呼吸がままならなくなるほどに苦しい。
意識は混濁し、頭はこの状況に混乱しているというのに、それを無視して魔術回路がぐるぐると回る。
これを止める術はない。
意識も体も口も何も動かない。動かないまま、状況だけが動いていく。
「…っっ!」
突然、暴れ回っていた魔力が抜けていった。まるで、どこかに一直線に向かっていったかのようだ。
最後に残っていた力も尽き、いよいよ何も出来なくなった。
混迷極まるこの状況に為す術もなく、もぬけの殻となった体の五感と共に意識も掠れていく。
いつの間にか開いていた視界。真っ赤な、燃え盛る世界。
それも、白く、しろくかすんで―…
魔力も抜け、朧気となった体温の中でただ1点。
胸のあたりに灯る暖かさを感じて、ななしの意識は沈んだ。