拾壱
こんにちは。前回に引き続きin団子屋です。銀さんとまさちゃんが意外と仲良くてビックリしてます。
口元をモグモグさせながらまさちゃんが言った。
「コレ確か讃岐の本店でしか売ってないやつでぇ、和三盆使ってあるんですよぅ。」
「え。そうなの？」
「…なんかメチャクチャ旨そうだな。」
「ユキさんも食べてみて下さいよぅ。」
はい！と一つ渡される。…仕事中なんだけど。
あまりにニコニコしてくるので、まぁいいかと袋を破く。三分の一ほどちぎって口に運ぶ。！美味しい。上品な甘さでって……めっちゃ視線感じるんですけど。めっちゃ見てるんですけどォォォォ！
「…」
「ユキさんが減るんで見ないで下さい〜。セクハラですよぉ？」
「いや、見てないから。見てないからね！？つーか、セクハラって何ィィィ！？」
「何ってセクシャルハラスメントですよぅ。銀さんのこと。」
「存在が？銀さん存在がセクハラなの？」
…仲良いなぁ。てかヨダレ出てますよお兄さん。
手元を見て考える。まだ家にあるし、これくらいいいかな。
「あの、食べかけでよければどうぞ。」
「「え。」」
「マジでか！！」
「ダ、ダメですよぉ！天パがうつっちゃいますよぉ！？」
「うつるかァァ！！…いただきぃっ！」
「あぁっ！！」
仲良いなぁ。ていうか、そんなに気にしなくても良くない？ちぎっただけだし。勿体ないから？
「うまっ！！」
「うぅ〜…！」
まさちゃん、そんなに勿体なかった？
「次会えたらお礼言わなきゃ。」
「会えたらって、連絡先しらねーの？」
「さぁ？」
「頂き物って言ってましたけどぉ、江戸の方じゃないんですかぁ？」
「さぁ？」
「…何にも知らねーの？」
攘夷志士です。
「一回会っただけなんですよね。突然宅配で届いて。」
「「………」」
「初対面だったんですけど、向こうは知ってたみたいで。」
ホント、何を思って私を調べたんだか。
「ススス、ストーカー！！！ストーカーですよぅそれぇぇ！！！」
え？違うよ。
「まあ、それ以外ねーだろーな。チンピラ警察行くか？役に立たねぇだろうけど。」
「てめエェェェ！！万事屋だろぉがぁぁぁあ！！！」
まさちゃん！？
オラオラと銀さんを揺するまさちゃんに少しビビる。
「ち、違う、違うよ。なんか私の夕飯を見て、不憫に思ったらしくって。」
「何食ってんのオタク。」
「その時はゼリータイプの栄養補助食品…」
「お前それは…」
何その顔。三食豆パンに言われたくない。
「その日はたまたまですよ。」
二人とも変な顔をしていたけど、お客さんが来てお開きになった。
因みに銀さんはキチンとお金を払っていった。ビックリしてたら怒られた。