弐拾漆

こんにちは。昨日はあの後大変でした。駆けつけてきた強面の真選組の人に詰問され、いい加減疲れたなーとか考えていると総悟くんが来て、馴染みだからと助けてくれました。隊士の人震えていたけど大丈夫でしょうか。




「あら、まさこ嬢じゃないの。」
「さっちゃんじゃないですかぁ、いらっしゃいませぇ。」

眼鏡くの一ことさっちゃんが来たようです。美人さんッスね。

「ていうかぁ、その呼び方止めて下さいよぉ。」
「そう言われてもねぇ。旦那様に働きに出ているとは聞いていたけれど、此処だったのね。」
「まぁ、いいですけどぉ。何か食べていきますかぁ?」
「そうしようかしら。納豆ある?」
「ユキさぁん、あんこ一つお願いしまぁす。」
「放置プレイね?いいわよ付き合ってあげようじゃないの!」

おおう。まさちゃんは悶えてるさっちゃんを放って他のお客さんの相手してるよ。マジで放置ですか。ど、どうしたらいいんだ。

「お、待たせしました。」
「ん?あら、ありがとう。私は猿飛あやめ、さっちゃんて呼んでね。」
「あ、はい。吉田ユキです。」
「そう、ユキさんね?よろしく。」
「よろしくお願いします。」

お、おおおぉ。女の子の知り合いだよ。嬉しいな。

「そういえば旦那様が嘆いてたわよ。もういい歳なのに恋人のこの字もないって。」

い、いい歳!?私より年下なのに…。いやでも江戸時代は十代で結婚は当たり前だったんだしな…。でもなんか複雑だ。私の歳だと行き遅れってか?

「まだ十代ですぅー。世間ではまだまだ早いくらいなんですからぁ。大体さっちゃんだって仕事命で、恋愛のれの字もないじゃないですかぁ!」
「残念だったわね!私には既に恋人がいるの!あーんなことやこーんなこともしちゃった仲なんだから!」

あ。もう銀さんと出会ったんですね。

「なんか前より妄想激しくなってますねぇ。」
「妄想じゃないわよ!まったく…。」
「それで?父さまはなんて?」
「お見合い相手に心当たりはないかって聞かれたわ。」
「は?」

お見合いかぁ。やっぱりいいとこのお嬢さんは大変なんだねぇ。

「だから同じようにお見合いさせたがっていた松平公に話しておいたわ。」
「ま、松平公!?なんであのオジサン!?だってぇあの人の家、娘さんでしょお?!」
「ほら、あの方って真選組の上司じゃない。たぶん局長か副長、幹部の人あたりとのお見合いじゃないかしら。」
「はあぁぁぁぁぁあ!?」

真選組の人とお見合いか…。近藤さんはないよね。お妙さんがいるし、柳生編でゴリラとお見合いだし。じゃあ土方さんか総悟くんか。あとの幹部の人知らないしなぁ。一応山崎さんも幹部かな?監察方のトップだったよねあの人。

「近々会いに行くって言っていたし、それなりに覚悟しておいたほうがいいかもしれないわね。」
「あんのクソ親父ィィイイイ!!」

まさちゃんのあまりの形相に小さく肩が跳ねたのは秘密だ。