おはようございます。今日の仕事は午後からなので、朝食を食べに近所の喫茶店にきましたユキです。



最近オープンしたばかりだという喫茶店。珈琲の香り漂う店内は、アンティーク調で統一されていて、江戸にいることを忘れさせてくれる。
店主は30代のイケメンで、穏やかな雰囲気の人だ。
週に1、2回通う私は既に常連客の仲間入りを果たしている。

オリジナルブレンドの珈琲とサンドイッチを注文し、窓際の端の席に座る。窓から見える景色は最近漸く馴れてきた江戸の街並み。店内には落ち着いたクラシックが流れていて、遮断されたこの空間が私の心を穏やかにしてくれる。
お待たせしました、という声と共に珈琲とサンドイッチが目の前に置かれ、ぼんやりとしていた意識がはっきりする。
遅めの朝食を目にすると、急にお腹が空いてきた気がする。
先に珈琲を一口飲み、次にサンドイッチに手をかける。分厚くふわふわに焼かれた玉子焼きにレタス、特製のソースのかかったソレは口の中でふわっと蕩け、思わず笑顔が浮かぶ。

持ってきた小説を開こうとしたとき、視界の端に黒服の人が二人現れた。
気になって顔をあげると、壁に貼られた紙を乱暴に回収しているのが見えた。
あれ?これって…。お爺さんが来た。…武蔵じゃん!
まじでか。あ、よく見ると梯子がある。なんか落ちた!!土方さん反射神経すげーな。銀ちゃん来た!総悟くんカワイー!
うわーうわー名シーンじゃんコレ。見たいけど、見たいけど…。ここからで諦めよう。

(脳内で)興奮して凝視しすぎたためか、土方さんが此方を向いた。…向いた!?やべ、気付かれた??
下を向いて本を読んでるフリをして、心を落ち着けるように珈琲を啜る。
チラリと見ると、土方さんは梯子に上っていった。
ビックリした。やっぱ視線には敏感なんだな。気をつけよう。



この後、怪我をした銀ちゃんが去った後、タイミングを見計らって店を抜け出した。…土方さんいつまで彼処にいるんだろ?