こんばんは。今日も仕事疲れました。この間話してから、総悟くんはお店に来るようになりました。特に話す訳じゃないですけど。



さて、周りはすっかり真っ暗。街路灯の灯りがポツポツと街を照らすが、人通りは殆どない。遠くでパトカーのサイレンが聞こえる。普段危険な道は通らないようにしてはいるが、大通りであるはずのこの道も暗さのせいで恐く感じる。
コンビニで立ち読みなんてするんじゃなかった。
こんな日はアレだ。
フラグが立ちそうな気がする。
刹那、首にヒンヤリとした感覚。煙管の香りと目の端に映る女物の着物。

「待ちなァ。」

…ですよねー。恐怖よりも諦め。だって、あまりにも非現実的だから。
力を抜き、無抵抗をアピールする。すると意外にもすんなり刀は下ろされた。ゆっくりと振り返り、視線を合わせる。

高杉さんきましたー。

いやもうテンションも上がらない。薄々気付いてました。いくらこっちが拒んでも、神様やら世界やらは面白さを望んでいるんだから、いつかは接触するって。
気付いてたけどさアァァァァ!!
たぶん私は今スゴい目してると思う。死んだ魚の目みたいな。
取り敢えず何がしたいのか分からないので首を傾げておく。

「ククッ。なるほどなァ。」

何がなるほどなんですか。

「最近真選組の奴等がこぞって接触してたからどんな奴かと思ったら…」

総悟くんですか、土方さんですか。…近藤さん?あれは接触ではありません。てか自己紹介だってしてないよ。

「ククッ。」

普通のお嬢さんでしょ。

「面白ぇもん見つけたなァ。ククッ。」

…あれ?

「取り敢えずオメェの家行くぞ。いつ幕府の犬に嗅ぎ付けられるかわからねぇ。」

手を握られ引きずられるように歩かさせる。
…あれ?
あれェェェェェ!?



そのまま家まで引きずられた。てかなんで家知ってるの!?