その後
あれから、何年が経ったのだろうか。
ホグワーツを卒業した私は校長に誘われ、魔法薬学の教授となって数年。特別子供が好きという訳ではなかったが、あの場所に行けなくなるということに比べれば容易い事のように思えた。
年々アイツ…ユキ・ヨシダの事を思い出す事は少なくなった。勿論あの場所に行ったり、リリーに会えば懐かしさを覚える。しかし、そこでふと思うのだ。私はアイツを何も知らない、と。
季節は巡り、今年も入学式が始まる。全生徒が大広間に集まり、四つの寮に分かれて座る在校生を見渡した。
「セブルス、今年はどんな生徒が来るかのう。」
「さあ、我輩には分かりかねますが…いつぞやの悪戯小僧のような輩が居ない事を願いますな。」
「ほっほっほっ。それもまた一興じゃよセブルス。」
楽しそうに笑う校長に溜め息を吐くと同時に、大広間の扉がガチャリと開いた。マクゴナガル教授の先導で、新入生がぞろぞろと入ってくる。
その緊張している様子の子供達に懐かしさを覚えていると、組分け帽子がいつもの歌を歌い出す。この歌を聴く度に、何故ポッターとブラックがグリフィンドールだったのか疑問に思う。勇猛果敢とはほど遠い奴らだったのに。
組分け帽子が次々に名前を呼んでいく。それに伴い、歓声と共に各寮へと分配されていく新入生。勿論自身の寮に来たときは拍手で迎え入れた訳だが、そんな中未だ呼ばれずに椅子に座ったままでいる一人の生徒に視線が奪われた。
なんてことない女子生徒だ。艶のある黒髪に、未だこの国では珍しいだろうアジア系の顔。
見たことは無い。そもそも、自分にあの年頃の知り合いは居ない筈だ。誰か在校生の妹かとも考えたが、やはり見覚えが無い。
なのに、
何故彼女から目が離せない。何故こんなにも懐かしさを覚える。
何故────────…
涙が出そうなんだ。
「─────ヨシダ・ユキ!!」
ガタリとどこか慌てた様子で立ち上がった少女。その際に絡んだ視線に、胸が締め付けられるような感覚。そんな私の胸中を見通したように、少女はフッと優しく微笑んでから背を向けて椅子に腰掛けた。
設定としては成仏してからすぐ誕生なので11、2年後。ここから教授セブとの素敵な学園生活が始まります。