なんの因果が私は若返りトリップなるものをしたらしい。小学生という懐かしい肩書きで過ごしていた私は、クラスメイトの少年探偵団に腕を引っ張られて事件に巻き込まれていた。
「あれれぇ?なんかコレ変じゃない?」
ブフゥッッ!!
吹いた。思わず吹いてしまった。哀からの視線が痛い。
哀には私の事情を話してある。というか、転入したての頃に問い詰められた。明らかに子供ではない浮いた存在に疑問を抱いたらしい。
「ちょっとユキ。」
「え、は、何?…あいたっ」
ひーひー言ってる私を軽く叩いてくる。仲良くなれて嬉しいよ。
「痛いなー、何すんの哀。」
「あんたがバカみたいに笑ってる間に終わっちゃったわよ。」
「え、えー!?なんで教えてくれなかったの!?ずっと見たがってたの知ってるくせに!!」
「だからワザワザ私も付いて来てあげたでしょ。アンタが来やすいように。」
「そーだけど…そーだけどさー!!」
だって折角この世界に来たなら推理ショーは見たいじゃないか!殺人現場はともかく。
「…お前らいつの間にそんな仲良くなったんだよ。」
「仲良く?こんなバカと?はっ。」
「鼻で笑った!かーわーいー…いだっ!!」
ツンデレですな!デレを見たことないけど。
「もー、年上は敬いなさい!!」
「敬えるような年上になりなさい。」
「辛辣!」
「ちょ、おい待てよ!訳わかんねーんだけど!!」
「…」
「おい、なんだその面倒臭そうな顔。」
パシャッ
「あら、流石名探偵ね。名推理よ。」
パシャッ
「お前な…」
パシャッ
「…因みにアンタは何をやっているのかしら。」
パシャッ
「え?…お!コナンくんいいねーその顔!流石女優の息子!どの顔が写り映えするかよく分かってるね!!」
「は?…はぁ!?」
パシャパシャッ
「ちょ、眼鏡外して下さい!新一くんの子供のころの姿も写真に収めた…あぁぁ!!!?何するの哀!!?」
「…」
ピローン
「ああぁぁぁ!!削除ぉぉ!?削除したぁぁ!?」
「肖像権の侵害よ。」
「辛辣!」
ーーーーーーーーーー
(結局どういうことだよ。コイツまさか組織の…)
(はっ。このバカが?有り得ないわ。)
(ちょ、哀!その流し目素敵!!そのままでカメラ返して!)
((……))
思った以上にアホの子になってしまった。コナンくん→ユキの予定がおバカすぎて駄目だった。