気付いてしまった

木の葉から離れ、ごく普通の高校生活に懐かしさを覚えながら過ごして数週間。この普通の日常は、昼休みに他クラスから聞こえてきた掛け声によって終止符をうたれた。

「うまそう!」
「「うまそう!」」
「「「いただきまーす!!」」」

ブーーーーッッ!!!

聞き覚えのあるセリフに飲んでいた豆乳を吹き出した。…目の前に居た阿部くんの後頭部に。
阿部くんの席に来ていた花井くんもこっちを見てくる。

「なんだよお前!きったねぇな!!」
「大丈夫かよ阿部。」
「…」
「?吉田どうした?」
「あんた…阿部隆也……?」
「はあ?何言ってんだよお前。」
「花井…梓ちゃん…?」
「誰が梓ちゃんだ。」

ペシンと頭を叩かれる。痛い!女の子を叩くんじゃありません!と、そんな事よりも…

「ったく…そんな事よりマネ考えてくれた?」
「お前もしつこいなー。」
「マネ…」
「んなこと言ってもさ、篠岡もモモカンも1人じゃ大変だしよ。」
「まあな。」
「あー…」
「2人をサポート出来るのなんてお前以外考えられないんだって。」
「…」
「頼むって!」

「……そうきたかぁぁぁぁあああ!!」

ドンッと机を叩き頭を抱える。なんで今まで気付かなかったんだ。入学式からもう結構経ってるし、阿部くんから何度も勧誘されてた。というか阿部くんとしゃべってたじゃん!

「(びくっ)」
「…どうした?」

可笑しいとは思ってたんだよ。ナルトの次がなんもない平々凡々なところだなんてさぁ。顔をあげて二人を上目遣いに見つめる…といえば聞こえは良いが、正確には睨み付けた。あー、よく見れば…よく見なくてもおお振りじゃん。

「…」
「な、ななな、なんだよ!?」
「……(待機)」
「あーそう、そうきたか。いーよいーよ分かったよ!やってやろうじゃないか!」
「お?」
「…決まった?」
「阿部くん!」
「なに?」
「梓ちゃん!」
「え、それ決定かよ。さっきまで花井くんだっただろ。」
「取り敢えず、ルール教えて!」
「「!!」」
「サポートは任せとけ!」
「「お…おおおおお!!」」



────
(やってやるよー!!)
(これ、お前用に用意してたルールブック)
(用意いいな阿部…分厚っ!)
(パラパラパラ……読んだ!)
((はやっっ!!?))




木の葉でアカデミーに通ったあと、下忍にはならずに近所でバイトをしてたユキちゃん。忍の基礎をやってみたかった。でも忍者にはなりたくない。惜しまれたけど本人はあっさり。その後トリップ。サバサバ系の主人公。
何が言いたいかというとやっぱり最強だよ、と。身体能力は誰にも負けない。それを阿部は見抜いてればいい。花井くん好きです。