追跡メガネ

※男主注意




ドカッ

「ちょー聞いてくれよ新一ィ。まじで有り得ねぇんだって…」

突然毛利小五郎事務所に現れた一人の男。それは此処数年殆ど連絡さえもしていなかった4つ年上の幼なじみだった。
奴は蘭に飲み物を遠慮なく頼みながら俺を一瞥してよっと手を挙げて言った。

「よっ!新一も来てたんだな」

言っておくが今の俺の姿は残念な事に江戸川コナンだ。
その後俺が口を挟む間もなく椅子に座り込み、近況や愚痴を話し始めた幼なじみに、今まで連絡も寄越さずに何やってたんだと問い詰めたかったのも忘れて呆れてきた。なにせ、その姿が数年会っていなかったにも関わらずあまりにも変わっていなかったのだから。

「ところで新一は最近どうだ?なんか変わった事とかあったか?」
「あ、あの僕は…」
「もー、ユウキさんったら何言ってるのよ。この子はコナンくんっていって、博士の親戚なんだって。」

はい、と言って要求道理の飲み物を運んでくる蘭。それにニカッと笑って受け取り、視線を再び俺に戻した。
その探る、というよりはしみじみと観察するような視線になんとなく居心地悪く思っていると、ポツリとユウキが言葉を零した。

「身長変わってねぇな新一」

ぶっ飛ばしたくなった。

大体最後に会ったのだって俺が小学5年生の頃だ。小1の今の姿と同じくらいの筈がない。
だけど俺が此処でコイツをぶっ飛ばす訳にはいかない。何故なら蘭がいるからだ。俺が工藤新一だと蘭にバレる訳にはいかないからだ。なのにコイツときたら。

「あ、あー僕思い出したぁ!ユウキお兄さんだよね?」
「いや、少し伸びたか?前はこんなんだったもんな?おー時の流れは早ぇなぁ」

オィィィ!!気付け!察せ!

「あ、あのユウキさん!」
「ん?なんだい蘭ちゃん」

「わ、私はどこか変わったかな…!?」

頬を紅く染め、キラキラと瞳を輝かせて期待をする蘭。それに応えるようにユウキはニコリと笑う。蘭にするように俺の事も察せよバーロー!

「うん、綺麗になったね蘭ちゃん。それに筋力も上がってるみたいだ。鍛錬を怠らなかったんだね偉い偉い」
「わっ、分かる!?」
「勿論だよ」

昔からコイツユウキに憧れ以上の思いを抱いてるからな。そしてユウキは相変わらずの色男ぶりだ。

「ユウキさん今日は夕飯食べてくでしょっ?なに食べたい?」
「んートンカツかな。味噌汁はワカメで」
「分かった!ちょっと買い物行ってくるからユウキさんはゆっくりしてて!」
「楽しみにしてるよ」

それはもう嬉しそうに財布を片手に出て行く蘭。それに呆れの視線を送っていると、ユウキが俺を見てしみじみ言う。

「新一ィ、お前優作さん風のメガネ似合わねーな」
「おま……はぁ、なんで俺だって分かったんだよ」

隠すのは無駄だと腹を括った俺は溜め息を吐いてじとりとユウキを見上げた。それを気にも留めないで、ユウキは紅茶を啜った。

「お前眼鏡かけただけで変装した気になってんの?それ通じるの漫画の中だけだぜ…?」
「その憐れんだ目ぇやめろ!!大体、体だって縮んでるだろ!!」
「そうか?こんなもんだった気がするんだがなぁ」

…今度こそぶっ飛ばす!!





狩人→探偵の最強男主。念能力者。操作系か具現化系、もしくは特質系で、身体能力や知力も抜群。趣味特技はパソコン。

一応allでコナンくん寄り…?公式はぶち壊し。