君とデート
※ミツバ編は終了後。ユキはバッチリメイク。
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銀時Side
「おーおー、総一郎くんじゃねぇの。」
「…旦那。」
こ洒落たケーキ屋で発見した沖田くん。沖田くんの向かいの席にはふんわりとした雰囲気をさせた可愛らしい少女がいた。誰がどう見てもデートなこの状況に興味津々で割り込んだ俺。沖田くんはすげー嫌な顔をしている。
「何々デート?」
「旦那…」
「坂田さん、こんにちは。」
遠まわしにどっか行けって行ってんだろうなコレは。でもこんな面白い場面に出くわして引ける訳がない。つーか、こんな子知り合いに居たっけか。いや、名前呼ばれたんだから知り合い何だろうが…。
「おじょーさん、どっかで会ったっけ?こんな可愛い子だったら忘れる筈ねーんだけど。」
「はは、今日は面白いこと言うんですね。」
「別に冗談じゃねーんだけど…。おたくも大変だねー、こんなドエ「すいやせーん。この人にパフェ全種、向こうの席に用意してやった下せェ。」…なんか俺用事出来たから行くわー。またな、おじょーさん、沖田くん。」
俺弱ェェェェェ!!あっさりパフェにつられて離脱した。それでも遠目に顔も見え、声もなんとか聞こえる場所を確保する。運ばれてきたパフェに舌鼓みを打ちつつ、聞こえてきた声に耳を澄ます。
「よ、万事屋の旦那と知り合いなんですかィ?」
「え?あぁ坂田さんですか?知り合いというか、お店によくいらっしゃるんです。」
へー?どっかの店のねーちゃんなわけだ。甘味屋か居酒屋か…。もしかしたらお妙のとこのキャバクラかもしれねーな。
「そ、そうなんですねィ。」
「ええ。沖田さんはどんなご関係なんですか?随分親しげに見えましたけれど…。」
「えっと、腐れ縁ってヤツですかねィ。万事屋ってやっぱり危険な仕事を受け持ったりしてて、俺達真選組と接触することも多いんでさァ。」
ふんふん。
「ただ、ウチの副長が少し馬が合わないらしくって、あんまり仲良くするなって言われてるんですが…、」
俺達だけじゃなくね?お前と神楽のが周りの被害がでけぇだろうが。つーか何その切なそうな顔。絶対ぇ嘘だろ。
「金欠でだらしなくてチャランポランな人だけど、それでもやっぱり旦那は強くて…頼りになる兄って感じ…ですかねィ。」
嘘つけェェェエエ!!!!そんな事微塵も思ってねーくせに気持ち悪い事言ってんじゃねェェ!!ヤベェ。鳥肌立ったんですけど。
「へぇ…。沖田さんみたいに真面目で頑張り屋さんな弟なら、坂田さんも鼻が高いでしょうね。」
「そ、そんな…!!」
騙されてるゥゥゥ!騙されてるよおじょーさん!!そいつドSだから!!真面目どころか不真面目だから!!高くなった鼻は嘲笑いながらへし折るような奴だからァァァ!!!
つーか何?誰あの沖田くん。アイツのネーチャンの時とはまた違うんだけど。
普段の沖田くんとの違いに戸惑っているうちに二人は店を出て行った。俺は追い掛ける気力もなく、パフェをつついていた。
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土方Side
「おいトシ!あれ総悟じゃないか?」
「あ?あいつ今日は非番だろ?何でこんなこ洒落た店のある通りに居やがるんだ?」
「さぁ?誰かに贈り物じゃないか?おーい総悟!!」
此処は小物屋とか喫茶店とか女が好きそうな物を扱う店が集まる通りだ。実際この通りを歩いているのは女が多く、男が一人で居ようものなら浮くこと間違い無しなのだ。まぁ、そんな通りだからひったくりが出るのも事実で、俺達は見回りをしていたわけだが…。こんな場所に総悟が何で居やがるんだ?
「近藤さん?…と土方さん。」
「よぉ、こんな所で何してるんだ?」
「…あれ、沖田さん?…と、ごめんなさいお邪魔してしまいましたよね?」
「あ?誰だてめぇは。」
「!すいやせんユキさん、俺の上司なんでさァ。口が悪くて…、嫌な思いさせてしまってすいやせん。」
「おい、」
思わず口元が引きつる。
「いえ、私がお邪魔してしまったから…」
「そんな、ユキさんは悪くありやせん。」
「上司の方なんでしょう?私、中見てますからゆっくりしてください。」
「、すいやせん。ありがとうございやす。」
何この空気ー!?俺なんか悪いことした?つーか二人の世界なんですけど!
女が店の中に入ったのをじーっと見送っていた総悟はゆっくりとこっちを向いて溜め息を吐いた。
「おい、なんだその溜め息は。」
「土方さん、漸くこじつけたデートなんでさァ。チンピラみたいな態度をとって彼女を困らせないで下せェ。」
「あぁ?どーいう意味だ其れは。」
「そのまんまですよ。はぁ、余計な気使わせちまった…。」
珍しく本気でへこんでいるらしい。こんな総悟なかなか見れない。
「総悟、彼女を呼んでくれんか?」
「近藤さん?何する気だよ?」
「何、挨拶するのさ。総悟の大事な人なんだろう?ならばキチンと挨拶しなければならんだろう!!」
ガッハッハと笑う近藤さんに目を見張る。ホント器のデカイ人だ。総悟は少し頬を染めて嬉しそうに店の中に入っていった。…誰アレ。
「器量も良いし気遣いもできる良い娘さんじゃないか!」
「だが、得体も知れないのは確かだぜ?真選組に取り入ろうとする奴なんかゴマンと居るんだからよ。」
「そんな子じゃないさ!なんせ人一倍警戒心の強い総悟が気に入ってるんだからな!!」
そうかもしれねーが…、だからこそ危ないんじゃねーか。総悟を手懐けるなんてよほどの者に違えねぇからな。思わず溜め息を吐く。顔をあげると総悟とさっきの女が店から出てきた。
「ユキさん、えーっと、こっちが近藤さんで、こっちが土方さんでさァ。」
「いやー、わざわざすいません!俺達チンピラ警察なんて言われてて愛想も何も知らんもんで!」
「、いえ。此方こそご挨拶が遅れまして、ユキです。」
「これはご丁寧に!良いお嬢さんじゃあないか!なあトシ!」
「あぁ…。」
なんかコイツ怪しくねーか?笑顔が嘘っぽいっつーか、距離を取りたがってるっつーか…。自然と眉間に皺が寄る。つーかなんでコッチ見てんだよ、すげー不思議そうなに顔して。
「ユキさん、どうかしやしたか?」
「え?あ、いえ。何度かお話してるんですけど、印象が違ったので。」
総悟が怖い。女の視界に入っていないからか、すげー怖い。
つーか話した事がある?居酒屋か定食屋か…、スマイルのキャバ嬢かもしれねーな。
「へ、へぇ?どんな印象だったんですかィ?」
場合によっては…って顔でギラギラしてやがる。俺今日死ぬかも。
「んー…と、マヨネーズ?」
「ぶっっ!!!」
「はあ?」
「ハッハッハ!こんなお嬢さんにも知られてるなんてトシのマヨネーズ好きは相当だな!!」
「ぶくくっ…、土方さんのマヨ依存症はもはや病気ですからねィ。」
「おいおい、あのな…」
その時遠くで悲鳴が聞こえた。どうやらひったくりが出たらしい。
「トシ、行くぞ!」
「あぁ。」
「沖田さんも行くんですか?」
行くわけねーだろコイツが。走り出しながら会話を聞く。
「いえ、あの二人が行ったなら大丈夫でさァ。」
「信頼してるんですね。」
「…ええ。それに今日の俺はユキさんのボディーガードですから。」
「ふふ、頼もしいですね。」
騙されてるゥゥゥ!騙されてるぞお前ェェェ!!信頼なんかしてる訳ねーだろうがコイツが!!後ろからバズーカやら刀やらで命を狙ってくるような奴だぞそのドSはァァア!!
走り出した俺は今更戻ることも出来ず、そのままひったくり班を捕まえに走った。総悟が騙されているんじゃなくて、総悟が騙しているようだった。それがドSの戦略なのか分からないが、目を付けられたあの女を少し不憫に思った。
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無月様リクエストありがとうございました!
総悟くんとユキちゃんのデート現場に遭遇。ですが皆ユキちゃんとは気付いていません。化粧で化けているので。未だに自己紹介してないので名前は知られてないですし。彼女の前だと土方さんとか変になるので、そこは穏便にさせて頂きました。
ありがとうございました!
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