やっぱりジェットコースター!

「次、アレ乗りましょう!」
「はいっ!」

テンション高く次のアトラクションに行く。いやー、流石若いわ。全然疲れてないもんね。私の奇妙なテンションにも付いて来てくれてるし。優しいわ。
目指すアトラクションは定番のジェットコースター。やっぱり遊園地に来たら乗らなきゃね。あれ?でも総悟くんてジェットコースター苦手だっけ?栗子ちゃんのデートを尾行してた時に大変なことになっていた気がする。
総悟くんを見ると嫌がっている感じはしないけれど…。

「?どうしやした?」
「あ、あの。苦手だったら言ってくださいね?」
「え?」
「テンション上がると周りが見えなくなるタイプみたいで…。」

少し恥ずかしくなって顔を伏せる。あー、年上のくせに何やってんだろ私。無理させちゃってたかな。

「じゃ、じゃあ、あの、てててててて…」

てててて?

「手、繋いで貰えませんかい?」
「手、ですか?」
「あ、あの、良かったら、ですけど…」
「構いませんけど…」

そんなんで怖くなくなるのかな?と不思議に思って首を傾げると、総悟くんは少し顔を伏せた。

「前にちょっとした不注意でジェットコースターから落ち掛けたことがあって…」

それ相当なトラウマじゃない?だ、大丈夫かな。止めた方がいいんじゃ…。

「あ、あの元々ジェットコースターは大好きなんでさァ!だから、あの、少しだけ不安なんで、手…握ってもいいですかィ?」
「はい、それで沖田さんが大丈夫なら。」

恐る恐る手を伸ばしてきた総悟くんの手を此方から握る。うわー、男の子なんだな。大きいしゴツゴツしてる。それに、努力してる手だ。私には想像もつかないけれど剣の道っていうのは大変なんだな。

「っっ、あ、う、」
「行きましょうか。」
「っ、はいっ。」

かーわーいーいー。手繋いだだけでこんなに真っ赤になって。総悟くん格好良いからモテるだろうに。あ、でも柳生編で女に縁がないとか言ってたっけ。パシャッとシャッター音が聞こえて振り返ると、そこにはカメラを持った総悟くん。

「?何撮ったんですか?」
「あ、あの、あんまり楽しそうだったんでユキさんを。」
「ええ、単品で撮ってもしょうがないですよ私なんて。」
「そんな!!」
「だから、一緒に撮りましょ?」

ポカンとした顔が可愛くてクスリと笑うと、総悟くんは眩しい笑みで返してくれた。
この後ご飯って思っていたけれどなんだかお腹一杯です。





総悟くんは繋いだ手だけもさり気なく撮ってる。繋いだ記念。

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