アリス祭開会

ついにアリス祭当日。開会式が行われる中等部グラウンドに全生徒が集まっている。そういう私も特力クラスの列に並んでいるわけで。

「あれ、チビは?」
「まだ来てねーの?」
「あー、蜜柑は寝坊だよー。」

寝坊ー?なんてケラケラ笑う翼。あ、自己紹介されました。
壇上にいる幹部生に視線を移す。今は学園総代表、櫻野秀一が挨拶をしているところだ。
秀ちゃん…。立派になっちゃって…!
子供の成長を微笑ましく見ていると、翼に小突かれた。なんだよもー。
小突かれたところを撫でながら、もう一度秀ちゃんを見る。

『…精一杯力を出しきっ、』

目が合った。

『…、出し切る事を願います。学園総代表、櫻野秀一。』

なかなか接触して来ないと思ったら、私のこと聞いてないんだね。もういいよ、理解した。
まぁこれで近いうち二人に会えるでしょ。



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 櫻野Side

『―…では、開会のテープを…』

さっきは咄嗟のことで驚いた。まさかユキさんが帰ってきているなんて、知らなかったから。思わず、笑みが浮かぶ。

「…どうした。」

昴は知ってたんだろうか。いや、多分知らないな。コイツ分かりやすいし。

「いや。」

帰ってきてるなら教えてくれてもいいのに。先生方も人が悪い。でも、僕も人のこと言えないかな。

「…なんでもないよ。」

取り敢えず、近いうち一人で会いに行ってみようかな。