楽しい楽しい文化祭の後は…
「来週から前期試験でーす。」
地獄の始まり。
…と言っても私受ける意味あんの?後で神野センセーに聞きにいこう。
「この試験頑張って上位成績とれば、優等生賞の候補になれるかもよ?」
優等生賞ねー。あ、セントラルタウンの買い物券はほしいな。
「ウチは何としてでも面会権勝ちとってじーちゃんに会いたいのーっっ!!大体あんたらかて…」
「上位の奴なんてどーせ面子決まってるっつーの。人間己を知る事とあきらめが肝心…」
「そんな事ないもんっっ、なあルカぴょん!!」
「え。俺は…別に面会とか、そこまで目指してるわけじゃないから…。」
「えっ、そうなん?」
ぐりん、と蜜柑がこっちを向く。
「ユキは!?面会権欲しいやんな!?」
ここで私に振るか普通。
「……面会権はともかく買い物券は欲しいかなー。」
「じゃあ一緒に勉強しようや!!」
「…蜜柑、私にこれ以上何を学べと?この間医学書読み終えたんだけど。」
子供の脳って面白いくらい吸い込むんだよね。前も巻物読み込んでた。
物凄くバカにした顔をして蜜柑を見ると、蜜柑は半泣きになる。周りの男子達が諦めろコールをし始めたので、その輪から離れて蛍の横に座る。
「実際どうなの?優等生賞。」
「え?」
「アンタなら、取れないものじゃないでしょ?…会いたい人とかいないの?」「ストレートだねー。」
「だって、私アンタのこと何も知らないんだもの。」
思わず蛍を見る。そうだ。なんにも言わないけれど、蛍は待っててくれてるんだね。
「うーん…。」
会いたい人か…。柚香ちゃんとか馨ちゃんとかは会おうと思えば脱走して会いに行けるし。それよりも会いたい人は…
「…会えるなら、とっくに会いに行ってる…かな。」
何も言わない蛍に苦笑いを残し、教室を出た。
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蛍Side
ユキが何かを隠していることは分かってた。なんとなく、ナルの先輩ってだけじゃないって。いくらアリスの副作用で身体が縮んでいるからって、わざわざ初等部からやり直す必要はない筈だ。
ふいに、棗くんと目が合う。ずっと様子を伺っていたらしい。彼は彼で大変みたいだけれど、彼なら何か知っているんだろうか。
棗くんから視線を外し、教科書を眺める。全く頭に入ってこない文字をひと睨みして、窓の外に意識を反らせた。
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会いたい人。もとの世界の人達。家族、友達。
鳴門世界の人達は時空忍術とかでいつか会える気がする。