ペルソナ

前期試験が始まった。
実は少し無理言って初等部に入れてもらっている身なので、試験を受けない訳にはいかなかった。ダルいだけなんだけどな。

国語。えーと何々?ナルに対しての愛の手紙?
うーん。実は私、現代にいたときは、昔のツンなナルが好物でした。
ということで、ツンナルに対して熱烈なファンレター兼ラブレターを書くことにした。これって採点で返事くれるのかな?楽しみ。

理科。答案用紙を全て埋めて、ミサキチが用意した不正行為を監視する"サボ点"を見つめる。
…小腹空いたな。そういえばサボテンて食べれるのもあるんだよね。これも食べれるのかな。と凝視していたらサボ点が逃げ出した。
ミサキチに変な目で見られた。

算数、英語。神野センセーと千里眼の人だ。
私、千里眼の人苦手なんだよね。いつ見られてるか分かんないからしょっちゅう結界張らなきゃだし。てことで、答案用紙を全て埋めてから、今度は神野センセーを凝視。徐々に顔色を悪くしていくのを見て楽しむ。神野センセーに対してはSです。でも可哀想になってきたので寝ることにした。

家庭科。棗ちゃんに引き摺られて同じ班に。蜜柑誘えよー。
器用そうだから出来そうだけどイメージ湧かないもんね。てことでほとんど私作りました。美味しく出来たよ。




さて、実際私のことをきちんと理解している人はとても少ない。現在学園にいる人では高校長、神野センセー、秀ちゃん、昴ちゃん、ナル、ミサキチ、野田くん、棗ちゃんくらいである。他の人の認識は『へー、年上なの?』とか『アリスは有って無いもの』くらいだ。
つまり何が言いたいかというと、

ペルソナとはほぼ初対面です。

社会。まあ問題なく用紙は埋め、前を向く。問題が起こるのはこの後だよね。棗への"忠告"。
正直言って、棗の不安を取り除くのは簡単だと思ってる。棗だけじゃなくて、ナルや蜜柑だって。ただそれをしないのは、原作を出来るだけ変えたくないから。それは変えちゃいけないとかそんなをじゃなくて、ただ変えた未来(さき)は分からないから。私の知識は現代で読んでいた原作によるもの。それは忘れることはあっても不変で、作者によって既に決められた道であった。
この世界で、救った命が幾つかある。でも、それでも原作通りに物語が始まったのは、原作通りに救えなかったことになっているから。それはその人達の存在を否定することになった。生きているのに、死んだことになってしまった。それでも彼らは、ありがとうと笑うんだ。

ペルソナがまだ零くんだった時、説明乏しく"先生は絶対助ける、だけど先生は死んだことにして"
。そう言って分身のユッキーを残して私達は消えた。彼がどう受け止めたのか分からない。それでも、目が合った彼が何かを言いたそうにしているのを感じると、少し安心してしまう自分がいるのだ。
"原作"を基盤に、内面はキチンと変わっているんだって分かるから。