思ったより敵はデカイ

アリス学園の正式名称はどれほどの人がご存知だろうか。『国立アリス研究機関学園』。まだまだアリスについて未知なことが多いこの世界。任務と言われるものの中には国から命令されたものもあるのだろう。あくまでも学園の生徒は被験者であり、実験台が檻から逃げ出す為にもがくのも自然の摂理だ。

さて、なんでこんな難しいことをつらつらと考えているかというと、"闇工作員"について説明を受けたからだ。葵ちゃんのアリスが暴走したときに起きた火事は国に揉み消された。
例え初等部校長を倒しても、国が運営している限り"任務"という名の資金集めは無くならないんだろうな。そりゃ金かかるもんね。広大な敷地、人件費、食費etc…。これ結構な大仕事じゃね?

思わずため息を吐く。私が難しいことを考えている間、色々なことが起こった。
通信機がバレたり、柚香ちゃんへの手掛かりだったり、蜜柑達が抜け出したり。因みに今は棗と蜜柑が仲良く逃げ出したところだ。
勢いよくコンテナから飛び降りる。

「レオちゃん。」
「、ユキ…。」
「私、行くね。」
「!…僕と来る気は…ないんだよね。」
「うん、私は影だから。初等部校長にも、キミのところのボスにも見付かる訳にはいかないからさ。」
私は私で頑張ってみるよー。たまに遊びに行くね。そう言ってヘラリと笑ってユキは行ってしまった。


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 蜜柑Side

棗を連れて倉庫を抜け出したは良かったが、足を踏み外して階段を転げ落ちてしまった。身体はボロボロ、敵は大人でウチらは子供。でも、でも。
先のこと、諦めるなんてウチらにはまだ早すぎる。

「一緒に帰ろう、学園に。」

楽しい未来はきっと、諦めずに歩いたその先にあるもんやから。

「みんなまってる。」

そのあと鉄パイプを持って応戦しようするが、逆に掴まれて壁に叩きつけられてしまった。
朦朧とする意識の中、棗が火薬庫に火をつけようとする。ダメ…ダメ…!

「棗!!」

途端に吹き荒れる爆風。最後に聞こえたのは、

「―…水遁・水陣壁!!」

聞き慣れた、あの声やった。