▼【こたえ】(ウォッチメン)
◇ロールシャッハ ※原作後:死ネタ母親を探す子供は母親とはもう2度と会えないということを知らないのか。
倒れたまま自らの臓器を探す娼婦は自分があと数秒で死ぬのを知らないのか。
知らない。困惑。戸惑い。わからない。
世界が混乱に満ちていく中、彼女もまた、地獄絵図と化したニューヨークで訳も分からず涙を流していた。
「ロールシャッハ…、助けて…。どこに居るの…、どこに」
潰れてしまった片側の世界で、彼女は自分のヒーローを探す。伸ばした手の先に見えたのは鮮やかな青色をした裸足だった。
「…Dr.マンハッタン?」
「これを、君へ」
Dr.マンハッタンが差し出したのは、酷く見覚えのあるシルクハットだった。彼女は察して全知全能の神に問いかける。
「……ロールシャッハはどこに行ったの…?」
「彼は妥協しなかった」
「答えになっていないわ」
「彼の元に連れてって」
「私には出来ない」
「いいえ。貴方になら出来るわ。彼の元におくって」
(Dr.マンハッタンは思考する。彼女の幸せを思考する)
(答えは出た。最初から出ていた)
(そして、永久に微笑みを浮かべ続ける彼女にシルクハットを被せた)