▼【彼は守っていたのに】(実写)
◇ラチェット ※TF4彼が殺されたということは知らされていた。
でも、こんなところにいるなんて、私は考えていなかったのだ。
「……オプティマス、見える? …ラチェットよ」
ケイドと一緒に潜入して、顔パーツだけになった仲間を見て、怒りが湧いたのは私だけではなかった。
通信から聞こえるオプティマスの怒声は珍しくて、私は静かに、目に焼き付けるかのように頭部パーツだけのラチェットを見つめ続けた。
あぁ、本当ならこんな恩知らずな人間なんか全部罵倒して、死んでしまったラチェットに触れたい。
これ以上ラチェットを侮辱するなと、汚い手で触るなと叫びたい。
「………抑えてくれ…」
「…………うん。わかってる」
ケイドに小声で諌められ、小さく頷く。
泣き出しそうになるのを必死に堪え、私は誰にも聞こえないように呟いた。
「……どうか貴方がジャズやアイアンハイドと同じ…、オールスパークの元に無事辿りつけていますように」
(守ってきた者たちに殺された彼へ)
▼【泣かないことは強さじゃない】(prime)
◇メガトロン †TF夢主「メガトロン様はオプティマスと友達だったんでしょ? どうして喧嘩しちゃったの?」
「………。…お前という奴は」
「聞いちゃいけないことだった? メガトロン様のトップシークレット?」
「貴様はそろそろノックアウトの治療を受けるべきだ」
「大丈夫。ボディパーツに負傷は無いよ。ほら綺麗でしょ!」
「残念なことに、ブレインは酷く錆びているようだがな」
「酷いなぁ。私はメガトロン様がだーいすきなのにー」
「……。いいから早く戻れ。俺様の忠実な部下ならば」
「じゃあ、戻りまーす。
でも、さっきの答えは聞かせてくれないんだね?」
「…オートボットは敵だ。だから戦っている」
「………私はメガトロン様がとっても大好きだけど、とってもとっても忠誠を誓っているのだけど、甘ったれたオートボットの奴らだって好きじゃないけれど」
「まどろっこしい。何が言いたい」
「時々、メガトロン様は可哀想に見えるよ」
(部下の赤いカメラアイが静かに世界を捉えていた)
▼【かお】(prime)
◇サウンドウェーブ「サウンドウェーブ。そのバイザーってつけなきゃダメ?」
「………?」
「だって、そのバイザーで貴方の表情がわからないんだもん。
……ちょっとは見たいって思うのは普通だと思うの」
自分でも少し拗ねたような声が出ているのに気付いて、思わず俯く。
サウンドウェーブはそんな私を何時もの無言で見下ろし、細い指先で私の頬を撫でた。
彼を見上げるとバイザーに反射した自分の不満げな顔が映って、なんだか複雑な気分になった。
(1度も見たことがない愛しい君の顔)
▼【真夜中ドライブ】(prime)
◇メディックノックアウト「やっぱり真夜中のカーレースは楽しいですねぇ」
「貴方が安全運転してくだされば、私はなんだっていいんですけれど」
「私が自分のボディが傷つくような走りをすると思っているんですか?」
「いいえ。
でも、なんだかんだいって貴方ボロボロになる率が高いじゃない。私が乗っていることを忘れないでね」
「私とのドライブはお気に召しませんか?」
「………そういうわけじゃないわ。ほら、よそ見をして負けたら怒るわよ」
「私が人間に負けるわけないでしょう。では、飛ばしますよ」
(真夜中に赤いスポーツカーが駆け抜ける)
(助手席にいる彼女は微笑みを浮かべた)
▼【もしもの話】(実写)
◇ジャズ「もしもを考えたことはないの?」
「例えば?」
ジャズの隣に座った彼女は悩ましげに表情を変えた。
「もしもオートボットとディセプティコンが戦争を始めなかったら…とか」
「他には?」
「もしもサイバトロン星で決着がついていたらとか」
「他には?」
ジャズは繰り返した。彼女も答える。
「もしも貴方と私が出会わなかったらとか」
「…他には?」
「もしも貴方が人間だったらとか」
「……………」
「もしも貴方が生きていたらとか」
「………………」
いつの間にか止んでしまったジャズの声。彼女は困ったような表情をした。
「そんな顔をしないで。ジャズ。『もしも』の話よ」
「その『もしも』をどれだけ考えても俺がお嬢ちゃんの元に帰れる訳じゃあないだろ」
「それもそうね」
ジャズは立ち上がる。
彼女は「どこに行くの?」と声をかけた。彼は「オールスパークの元に」と答えた。
「私も、60年とかその辺でそっちに行くから、待っててくれる?」
「もちろん。俺達は何万年も生きてるんだ。60年くらい待つのはお安い御用さ」
(お互いに泣いたりはしなかった)
(笑顔に救われるだなんて信じていなかった。その時までは)
▼【情報通】(prime)
◇サウンドウェーブ「あー、サウンドウェーブだー。ねぇーねぇーメガトロン様がどこにいるのか知ってるー?」
「………」
「ううん、そんな大したご用事じゃあないのー。スタスクがにやにやしながら採掘場に行ったからご報告するのー」
「『貴方について行きましょう』」
「わー、ビーコンさんの声だー。じゃあサウンドウェーブ、お出かけしよー」
▼【戦士、恐怖、少女】(実写)
◇アイアンハイド「お前は俺が怖くないのか?」
「どうしてそんなこと聞くの?」
「俺達はお前よりも大きく硬く、いつお前を壊すかわからない」
「怖いのは貴方の方?」
「…………」
戦士は戦いに恐怖など覚えない。
それでも、大切なものを傷付けやしないかと、不安を抱えていた。
彼女は彼の手の上に乗り、微笑みを浮かべた。
「貴方がそうやって不安に思ってくれているのなら、怖くないわ。
私を守ってくれているのはいつだって貴方だもの」
(怖いわけないじゃない)
▼【体温】(実写)
◇ラチェット「35.4℃…。随分と低い。人間の体温は36.5が平均と聞いたが?」
「また勝手にスキャンしたわね? …まぁいいけれど…。
平均はあくまで平均ということよ。ラチェット。
男の人ならもう少し高め人が多いんじゃないかしら」
「ふむ…。女性体の冷え症が多いというのもこれが原因か?」
「まぁ、そうしょうね。
貴方達には体温はあるの?」
「特に決まったものはない。気を付けなくてはいけないウィルスも、温度調節程度で破 壊できるものでもなし」
「ふぅん。じゃあ損してるのね。貴方達は」
「損?」
「他人の体温って、大抵の人は安心出来るものなのよ。
試してみる?」
伸ばされた小さな手を指先で握ってみたが、安心できたがどうかはわたしにはわからなかった。
彼女は「残念」と微笑んでいるだけだった。
▼【泣き虫な君と】(実写)
◇ジャズ「また泣いてる」
ジャズが笑いながら泣き虫な少女の隣に立っていた。
「なぁ、泣くなって。あんまり泣いてると干からびるぞ。お嬢ちゃん」
さめざめと泣きつづける少女に、弱ったジャズは思わず、手を伸ばした。
「………」
少女を通り抜けたそのジャズの手は半透明だった。
(なぁ、泣かないでくれよ)
(俺のためなんかに泣かないで)
(俺はいつだって君の側にいるから)
▼【どこ行ったのよ!】(実写)
◇バリケード「この前の日曜洋画劇場でもバリケードさんは迷子になり、フェードアウトしました!
この件について何か一言!」
「黙れ」
「必死にパトカー探しまくった私の心情をわかってる?」
「知るか」
「それでも私、バリケードのこと愛してるよ」
「……………ばーか」
(あそこは「俺も」と返せば良かったのか!? いや、それは色々と無理だ…ッ)
(照れてる可愛い)