「見つけたぞ!」

談話室に戻ってきて、沢山の本を読んでいた時。ロングボトムくんから蛙チョコを受けとったハリーくんがいきなり叫びました。

スネイプ先生から特別に出された宿題(何故出されたのかもうわからないです)をこなしていた私はその声に驚き、飛び上がりました。

ハリーくんの話ではどうやらニコラス・フラメルさんを見つけたらしいです。

ハーマイオニーちゃんが大きな本を出してきて調べると、そこには彼がダンブルドア校長先生の友人だということや、錬金術の事や【賢者の石】のことがかかれていました。

「ねっ? あの犬はフラメルの『賢者の石』を守っているに違いないわ!」
「金を作る石、決して死なないようにする石! スネイプが狙うのも無理ないよ。誰だって欲しいもの」

私はちらとそのスネイプ先生から直接頂いた宿題を見ました。
上の方に走り書きがされています。

『5年生の問題。解らなければ聞きにきたまえ』

スネイプ先生は優しいですよ。厳しくて意地悪ですけど、優しいんですよ。

私はそう言えないまま、スネイプ先生が疑われていくのを黙ってみていました。


†††


それから、スネイプ先生はもっと疑われる事になりました。

禁じられた森の近くでクィレル先生を問いただすスネイプ先生をハリーくんが見たというのです。

「僕等は正しかった。『賢者の石』を手に入れるのを手伝えってスネイプがクィレルを脅していたんだ。
 クィレルが闇の魔術に対抗する呪文をかけて、スネイプがそれを破らなくちゃいけないのかもしれない……」
「それじゃ『賢者の石』が安全なのは、クィレルがスネイプに抵抗している間だけということになるわ」
「それじゃ3日ともたないな。石はすぐなくなっちまうよ」

ロンくんが話したあとで私は思いきって口を挟んでみました。

「ぎゃ…、逆にクィレル先生が犯人かも…知れません、よ……痛っ…」
「どうしたの、リクっ?」

急に私の頭が締め付けられるように痛みだしました。
ハーマイオニーちゃんが心配そうに私の顔を覗きます。

ずきん、ずきんとした痛みはゆっくりと引いて行き、私は3人に「大丈夫」と手を振りました。

「本当に大丈夫?」
「はい。ごめんなさい、心配させてしまって…」

私がいった「クィレル先生が犯人かも」の言葉は皆さん、聞こえていなかったようでした。


†††


石を守るということも大切でしたが、ハーマイオニーちゃんは石の他に、学業にも一生懸命に励んでいました。

「ハーマイオニーちゃん、疲れませんか?」
「そうだよ、ハーマイオニー。試験はまだズーッと先だよ」
「10週間先でしょ。ズーッと先じゃないわ」

ハリーくんやロンくんにも勉強を奨めるハーマイオニーちゃんに2人はたじたじのようです。

「リクも図書室に行って復習しましょ?」
「あ…、ごめんなさい…。私、今日は地下牢教室に行かなきゃいけなくて……」

ポリジュース薬の続きが今日やっと作れそうなのでした。
結局、私はポリジュース薬を最初から最後まで作ることになったようです。

今、いいところまで出来ていますが、完成するまではわかりません。

ハリーくんやロンくんが顔をしかめました。

「スネイプのとこ? 1人で大丈夫?」
「はい。大丈夫ですよ」
「僕達も行くよ。スネイプが何かしないとも限らないし」
「大丈夫ですよー。私をどうこうしたって石が手に入る訳じゃないでしょうし」

ね? と笑いかけると渋々といった風に納得してくれました。

先生は石なんか狙っていないんですが、それを伝える事は出来ません。

私はまた夕食で。と言ってから彼らから離れました。


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