【ヒーロー】(ソーマ)

GOD EATERが好きでもう凄く好きでその中でもリンドウさんまじかっけぇよなんでサクヤさんとラブラブしてんのあんたまぁそれがいいんだけど恋する乙女としては凄く寂しいかな?絶対幸せになれよお前ら!リンドウさん浮気すんなよいやしねぇな絶対!!なんで皆ソーマが好きなんだろうねいやたしかに格好いいけどさソーマよりもリンドウさんの方がイケメンじゃん!頼れるじゃん!ソーマなんてロリだろロリ!リンドウさんの溢れる大人オーラには負けるだろ!とか中二病真っ只中な悲しく寂しい思考をしながら『トリップしたい凄くしたいいますぐしたい!そして一緒に任務についていきたい本気で!』とやっぱり本気で叫んでいた毎日。

神様はそんな私の馬鹿げた話を聞いていたらしい。

走る走る背後からは音すごく怖いだから走る走るこける腕に何かが飛んでくる刺さるそして悲鳴痛い赤は血血は赤。また、走る走る走る。

こんな、こんな筈じゃなかった。

後ろからはドスドスと足音を響かせながら迫りくる『オウガテイル』の姿が。

そうです。私、トリップしました☆

普通さトリップしたらさそこが運よくフェンリル極東支部内でさ最初は支部長か榊博士あたりに見つかってなんやかんやで新型GOD EATERになってさ私の能力はなんでかトップクラスでさ第一部隊に所属されてリンドウさんまじイケメン尊敬してますとか言いながらリンドウさんにも認められて余裕でウロボロスとか相手しちゃうんでしょ?

少なくとも、こんな荒れ地に放り出されて、こんな、小さなオウガテイルから命からがら逃げてるなんて、そんなトリップ嘘でしょ。

ごめんエリック上田。私、貴方のこと馬鹿にしてた。
オウガテイルなんかにやられるなんかダッサとか言っててごめん。

こいつらやっぱ怖いわ。

「ッは……はっ……あぁ…もう、…死ぬのか、私」

頭では諦めてるのに、身体は諦めずに走り続けて、足がもつれながらも、走り続けて。
オウガテイルしつこい! と悪態ばかりが駆け巡っていた。

ほっぺたが涼しい。そりゃこんだけ泣いていればね。
肩が痛いより熱い。そりゃこんだけ血が出てればね。

「どうせなら最後に本物のGOD EATERに会いたかったなぁ」

いつの間にか増えていたオウガテイルに囲まれながら(こいつら援軍呼びやがったのか!)ついに身体も諦めたのか、すとんと腰が落ちて座り込んだ。

メスライオンに狩られる縞馬の気持ちなう。

私に飛び掛かるオウガテイルの姿がスローモーションで見えた。
誰だよ死の間際には走馬灯が見えるって言った奴。なんも見えねぇよ。お先真っ暗だっつーの。痛くなければいいな。うわ、お腹減ったwww天国で美味いもん食べよ。

閉じた瞼に降り懸かる生暖かいぐちゃぐちゃとした血。

痛みは不思議と全くなくて(嘘。さっきやられた肩は痛い)楽に死ねるな。と思ってたらいつまでたっても終わりが来なかった。

長い。長い。機能回復してきた耳が、ガサと誰かの足音を私に伝えてきた。

おずおずと、ゆっくりと、瞼を開いていくと、そこには誰かの背中があって、周りには倒されて地面に還るオウガテイルがいた。
嘘。助けられた?

「だ…れ…?」

私の口は気付けば聞いていた。見つめるとそのフードには初めて見るのに見覚えがあって、私は誰だかすぐにわかってしまったのだけど。

その誰かは振り返って座り込んだままの私を見た。
頬に返り血を浴びた冷たい表情。でもその中に暖かさを感じた私は重症?

「………ソーマだ」

それはヒロインのピンチに駆け付けたヒーローぐらいには格好いい存在でした。

あはは。今までずぅっとリンドウさん大好きだったのになんだコレ格好良すぎるしょ今のソーマ。
あぁ、馬鹿馬鹿ばか。面倒臭そうにしながらも沢山の心配を私に向けながら、血を流す私の肩を手当てする貴方は。


(ヒーロー)

やばい、惚れちゃったよ。


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