【次にまた】(リドル)(死ネタ)

「待ってよ。リドルくん」

どうして君は僕を引き止めるんだ。
孤児院に居たときから、彼女はいつも僕の後ろを歩いていた。

マリアはいつもそばにいた。

「待って下さい、リドル」

それはホグワーツにいる間も――

「お待ち下さい、ヴォルデモート様」

――出たあとも。

マリアはずっと俺様の後ろをついて来ていた。

それは最早自然なことで彼女はいつも俺様のすぐ側にいるものだとわかっていた。
彼女のことを振り返る必要などないと、思えるくらいに。


†††


身体が重い。意識が静かに浮上する。

あの時、ハリー・ポッターを殺すべく向けた杖。
そして俺様とあいつの杖が繋がり、そして俺様は。

「卿、お目覚めになられましたか」

すぐ側でマリアの声がした。
周りを見るとそこは森の中で、マリアは俺様の身体を横たえていた。

身体が重い。手足はもう動かず、満身創痍だった。

「…俺様は…」
「貴方様はハリー・ポッターの呪文に敗れました。
 ホグワーツの前からはなんとか脱しましたが、すぐに追っ手が来るでしょう。
 …私も、貴方様も、もう…」

淡々と話す彼女だったが、マリアの身体をよく見ると、肩からは血が流れ、その白い足にも深い火傷が広がっていた。
どうにか逃げてきたのだろうが、彼女の言葉の通り、マリアにも俺様にも、もう何もできないだろう。

「……分霊箱ももう、ない。
 …………俺様は、死ぬのか」

憎い憎い憎い憎いあんな小僧などに俺様が遅れをとるだなんて憎い許せない何故、俺様が。

「……ねぇ、リドル…」

俺様の中で溢れる怨嗟を止めるかのように、マリアが昔と同じように俺様を呼んだ。

彼女はいつも俺様の後ろを歩いていた。

マリアはいつもそばにいた。

「お願い。私も一緒に連れて行って」

彼女は消えゆく俺様の手を左手で取り、右手は杖を握った。

「       」

何度も言い、そして何度も聞いた呪文をマリアの口が唱え、杖先から出た緑の光線がマリアのの胸を貫く中、何故か憎しみも恐怖も少し薄れていった。


自ら命を絶ったキミがおれさまのすぐ側に倒れそして訪れたおれの死に際に感じたぼくのこの胸のあたりをあたためるこれはいったいなんなんだ…?


(次にまた会えるなら)

この疑問は解けるのだろうか。


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