「そういえば、ハリーがクィディッチの選手に?」

大広間で夕食をとっている最中、私はダンブルドア校長先生から聞いた特別措置のことをふと思い出し、隣のマクゴナガル先生にそう話しかけていました。
反対隣のスネイプ先生はじろりと私を睨んだ気がします。ですが、マクゴナガル先生はそれには気がつかずに、とても嬉しそうに話してくださいました。

「えぇ。才能のある子です。将来、優秀なシーカーとなるでしょう」

嬉しそうなマクゴナガル先生に私もとっても嬉しくなってしまいます。
クィディッチはあまり詳しくない私ですが、やはりハリーの活躍は見たくて、これからの試合が楽しみになります。

去年の試合ではグリフィンドールはスリザリンに惨敗してしまっていたので、今年こそはクィディッチに優勝しようとマクゴナガル先生も頑張っているのです。
ちらりとスネイプ先生を見ると、興味がなさそうに食事を続けていました。私は彼に声をかけます。

「今年はグリフィンドールも手強そうですね」
「今年もスリザリンが勝つ」
「聞こえてますよ、セブルス」

視線を全く合わせないまま火花を散らす寮監お2人に挟まれている私は、クスクスと笑いながら肩を竦めます。
お2人ともクィディッチのことに関しては誰よりも熱くなるのですから。

クィディッチのシーズンは11月からです。ハリーの活躍を見られることを期待。

そうして訪れた10月31日の朝。ホグワーツは沢山の飾りつけがされていました。
私もパンプキンの形をした飾りを髪に飾っていると、それを見たスネイプ先生に呆れたような顔をされました。いーですもんねー。

夕食の時間になると沢山の蝙蝠が飾られ、大広間はすっかりハロウィンチックな雰囲気になっていました。

いつものように黄金の皿の上に豪華な食事が並んだ時。

クィレル先生が全速力で大広間に飛び込んできました。尋常じゃない彼の慌て様に沢山の視線がクィレル先生に向かいます。
クィレル先生は真っ直ぐにダンブルドア校長先生の席までたどり着きます。私はちらりと隣のスネイプ先生を不安げに見てから、みんなと同じようにクィレル先生へと視線を向けました。

「トロールが…地下室に…、お知らせしなくてはと思って」

クィレル先生はそう告げたあと、その場でばたりと気を失い倒れてしまいました。

その瞬間大勢の生徒達が一気に大混乱に陥ります。
校長先生が杖を振るい、何度か紫色の爆発を起こすまでそれは続き、少ししてようやく静かになりました。

「監督生よ、すぐさま自分の寮の生徒を引率して寮に帰るように」

言葉と共に大勢の生徒達が動き出します。教師達は杖を握って、異変を確かめるため大広間を出ます。
私もマクゴナガル先生のあとをついて大広間を出た時に、スネイプ先生が全く反対の方向に進み出したのを見て、思わず声をかけていました。

「どちらへ?」
「君は生徒の誘導をしていたまえ」

彼はそれだけを伝えて、階段を登ってどこかへと行ってしまいます。

「待ってください! あぁ、もう!」

声をかけてもどんどんと先に行ってしまうスネイプ先生を見送ってしまってから、私は戸惑いの表情を向ける生徒達の前に向かいました。

「スリザリン! こちらから寮に向かってください。…スリザリン!」
「リク先生…。スネイプ先生はどこに?」

監督生の1人が不安げな表情をして私を見つめています。その子を安心させるように微笑んで、背中に触れて階段を下りていくように案内します。

「えーっと…。彼はトロールの侵入口を調べてくれています」

多分、本当は違うと思いますけれど。

途中まで監督生と一緒に引率をした私ですが、階段の分かれ目まで来たところでスリザリン寮へとではなく、トロールが出たという地下室へと向かいます。

階段を下りていくと杖を構えているマクゴナガル先生の姿が見えて、私は彼女へと駆け寄ります。

「トロールはいましたか?」
「まだ確認出来ていません。貴女はそちらへ、」

マクゴナガル先生の言葉が途中で止まりました。上の階から劈くような悲鳴が聞こえたからです。


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