図書室に、リアは一人座っていた。珍しくセブルスの姿は見えない。
その隣へと、リーマスは腰を降ろした。
「こんにちは。リア」
「……こんにちは。久しぶりね」
リアは開いていた本を静かに閉じ、隣のリーマスへと視線を移した。
彼女の瞳が少し見開かれる。
リアの手がリーマスの頬へと伸びた。彼の頬はガーゼに覆われていた。
「怪我、したの?」
「……このくらい何ともないよ。
僕、よく転ぶんだ」
「…そう。……この前休んでいたのも『転んだ』からかしら」
「うん」
小さく微笑んだリーマスにリアは寂しげに微笑み返した。
手が静かに離れていくのをリーマスは見送った。
リアははぁとわざとらしく溜め息をつく。
「次にあったら文句の1つでも言おうと思っていたのよ?
そんな怪我していたんじゃやりづらいわ」
「えぇ? 何かあったのかい?」
「貴方がいなかったおかげで数が合わなくて大変だったのよ?」
ニヤニヤと笑うリアにリーマスは困惑顔だ。
何の話なのかわからないのだ。
「えっと?」
「魔法薬学の時間。私、何故か『あの人』と組むことになったのよ」
「最悪」と囁いたリアの表情がどこか嬉しそうに見えたリーマスが、思わずニコリと笑う。
「そうだったの。ごめんね?」
「いいえ。
……この前、私も貴方に怒鳴ってしまったし。
私も、ごめんなさい」
「気にしてないよ」
リーマスはニコリと笑うとリアの手にチョコレートを握らせた。
リアは不思議そうにチョコレートを見つめた。
「貴方、本当に甘いものが好きなのね。いつも持ち歩いているわ」
「僕の成分と言っても過言ではないさ」
「ふふ。今度、お家から美味しいチョコレート持ってきてあげる。
一緒に食べましょうよ」
「本当? 絶対だよ?」
「もちろん」
笑うリアにリーマスも笑顔を向けていた。
(I really feel good about myself.(とってもいい気分よ))
この気分を貴方にも分けてあげたいくらいにね