リア達は2年生になった。
『悪戯仕掛人』としての名が1年の時よりもさらに広まり、シリウス達の顔はよく知られていた。
「顔も家柄も良くて、勉強が出来て、箒も乗りこなせて運動神経抜群ね…。
これだけ聞いたら王子様ね」
苦笑を零したリアが呟いたのは、擦れ違った女生徒が頬を染めて言い合っていたシリウスの噂だ。
隣にいたセブルスがちらりとリアを見たあと、興味がなさそうにまた前を向いた。
「僕は嫌いだが」
「そういえばセブルスは最近、あの人やジェームズ・ポッターが酷く嫌いみたいね。
1年生の時はそうでもなかったのに」
リアが頬に指を当てて首を傾げた。
が、すぐにどうでも良くなったのか、微笑みながらセブルスの手を引いた。
「まぁ、いいわ。夕食に行きましょう? お腹減っちゃった」
「待て、リア」
「?」
足を止めたセブルスに、リアが不思議そうに振り返る。顔をしかめたセブルスがリアの手を強く引き、踵を返した。
「今日はこっちから行こう」
「?
…えぇ。食事前のお散歩ね。素敵」
「そんな洒落たものではないが」
「ううん。セブルスとのんびりと歩いてるの嫌いじゃないから。お散歩で間違いないわ」
微笑むリアにばれないように安堵の息を零したセブルスが、ちらりと後ろを見た。
(…あいつらは昼間からくっついて)
廊下の隅で手を繋ぐシリウスとグリフィンドール寮の女生徒を忌ま忌ましく思った。
リアがそれを、また寂しげに見続けているのは、セブルスはもううんざりだった。
「どうしたの、セブルス? 不機嫌?」
「お前が馬鹿だからだ」
「何よ。いきなり酷いわ」
少しだけ歯を向いて笑うリアに、セブルスも微笑みかけた。
笑うリアの横。シリウスの事に関しては脆くなる友人を庇っていかねばならない。とセブルスは静かに決意していた。
(I really fed up with him.(あいつには本当、呆れる))
全く、こいつらは。