玉座にスピカは立ち上がった。
目の前にはオプティマスを中心にオートボット軍が並んでいた。
立ち上がったスピカを見て、1番先頭にいたオプティマスは片膝を付き、頭を垂れた。
そのプライムの背中を見て、他のオートボット軍も膝を落としていった。
オプティマスの次にアイアンハイド、ジャズにラチェット、バンブルビー。
ふざけるように遊んでいたツインズがアイアンハイドに頭を押されて続き、アーシー3姉妹がクスクスと笑いながら続く。
だが、城の奥の方では頑なに膝をつこうとはしない者達も見えた。
その中にはアイアンハイドの弟子であるサイドスワイプ、ディーノが表情を固くして憮然と立っているのが見えた。
スピカはその者達の姿も捉えつつ、玉座に立ち上がり、よく通る声を上げた。
「私は、オートボット軍に味方することにしたわ。
昔から私は中立の立場にいた。でも、これからは貴方達の味方よ」
城の中に少女の声が通っていく。それはサイバトロンの王女の声だった。
「貴方達が守るのはこの星で、そして貴方達自身よ。
死なないで。私が願うのはそれだけ。私に出来るのはそれだけ」
言い切ったあと、困ったように肩をすくめた彼女がオプティマスの方を見た。
彼の名前を短く呼ぶと、スピカは手を伸ばし、オプティマスの掌の上に乗った。
「オプティマス。私に戦いはわからないわ。あとは貴方に任せる。
貴方に全てをお願いするわ」
「あぁ、わかった。スピカ。
ならば尚更、この玉座は私には似合わない。ここは変わらずスピカに守っていてもらいたい」
「えぇ、いいわ」
オプティマス・プライムは立ち上がって、スピカを再び玉座に座らせる。
大きな、先代プライムの着ていたマントをスピカの肩に掛け、オプティマスは仲間達に振り返った。
そしてスピカはオプティマスの背中を見ながら、寂しそうに微笑んだのだった。
これで、少女はメガトロンという友人と、敵対する運命となったのだ。
(prince. 姫)