肩に何かが触れた。
彼女がそっと目を覚ますと、目の前にオプティマスの姿が見えた。
彼の表情が一気に困惑に変わる。
「すまない、スピカ。
私のボディの上で眠ってしまったから、寝室に運ぼうとしたのだが…」
「いいえ。大丈夫よ、オプティマス。
私はすぐに目覚めてしまうでしょうから」
欠伸をこぼすスピカが伸びをして、オプティマスの掌の上にもう1度寝転がった。
オプティマスは寝転がったスピカを青いカメラアイで見つめた。
「だが、アイアンハイドだったら起きないだろう?」
「え?」
「君は、アイアンハイドに触れられても眠っていることの方が多い」
真剣な表情をするオプティマスに、スピカの頬が微かに染まっていく。
真っ直ぐな司令官の言葉に、両手で頬を抑えて、赤い顔を隠す。
深く黙り込んだスピカに、オプティマスは優しく微笑みかけた。
「アイアンハイドはきっと丁寧なのだろうな。
私も見習わなくてはね」
そうにっこりと笑ったオプティマス。
ひょこっと顔を覗かせたラチェットが苦笑と共に言葉をかけた。
「あのアイアンハイドが丁寧な訳無いだろう。
スピカがアイアンハイドを」
「変なこというと分解するわよ、ラチェット」
スパッと言い切ったスピカが、不思議そうな顔をしたままオプティマスの掌から飛び降りた。
その肩にはオートボットの入れ墨が、今でも昔と変わらず見え隠れしていた。
(unchanging. 不変)