「やっぱり、リーグ部に来てくれる気はない……?」
「うん。ごめんね」
「い、色々と変わったんです!まだちょっとバタバタしてて決まってないことも多いんですけど……それでも、チャンピオンが変わったので、リーグ部の雰囲気も変わりましたし」
「んと……カキツバタさんが嫌だったわけでも、スグリくんが怖かったわけでもないですよ」
「だったらどうして……?」
「うーん……そうですね……タロちゃんになら教えてもいいかな。
わたしはね、チャンピオンというものが嫌いなんですよ」
「え……?」
「元チャンピオンの皆さんや現チャンピオンが嫌いな訳じゃないですよ。チャンピオンという制度や立場が嫌いなんです。
だって、ただ強かっただけのひとを、一度勝ったくらいで、チャンピオンという枠に縛りつけてしまうんです。
英雄に、かみさまに。そんなことだれも望まなかったはずなのに。
スグリくんだってそうでしょう?彼は自ら望んでしがみつきに行きましたが、結局のところひととは違う何者かになりたかったんだと思うんです。そんな彼が負けたとき、バトルを見ていた生徒の大半がどういう態度をとったのか、タロちゃんなら覚えていますよね?」
「そ、れは……」
「勝手に祀り上げて、勝手に期待して、沢山のものを背負わせて、勝手に失望する。そんな酷いこと、本当なら許される訳ないのに。チャンピオンという座に着いたそれだけでそれを許容する。
私はそれが、心の底から嫌いなんです。
それに対してパルデアのチャンピオン制度は良いですね。リーグのトップこそ君臨していますが、仕事以外の諸々が背負わされていない。リーグを制覇してチャンピオンになっても独りじゃない、沢山のチャンピオンがいる文化。学生がその座を得ても、決して、孤独な英雄になんてされないんですから。
せっかくイッシュからこのブルーベリー学園という箱庭に逃げてきたのに、ここにもリーグが存在しているなんて。まあ特に調べもしなかった私のミスなので、大人しくしておこうと思います」
「……」
「そういうわけで、誘ってもらってるのにごめんなさい。リーグ部はご遠慮しておきますね」