05

不本意ではあるが、訳あって俺は地球外縁軌道統制統合艦隊の世話になっている。
そこの司令官であるカルタは、俺と二人っきりになるやいなや、いたずらっぽい笑みを浮かべて俺に問いかけてきた。

「ルチアから聞いたわよ、ガエリオ坊や。
とうとうあの子に告白したそうじゃない。」

「流石耳が早いな、カルタは。」

先程カルタ司令と厳しく叱られたことを思いだして、また失言をしてしまったと身をすくめるも、周りに俺とカルタ二人しかいない空間では、彼女は呼び方など気にも留めない様子だった。

「それで、どうするつもりなの?」

「返事は待ってほしいと言われてな。それで俺の休暇が終わってしまってそれっきりだ。」

「ふうん。まあ、あの子がどんな選択をするにせよ、ルチアを泣かせたら折檻よ、覚えておきなさい。」

折檻はともかく、ルチアを泣かせでもしたら確かにこのカルタが黙ってはいなさそうだ。
容易に憤怒するカルタの姿がやすやすと想像できて、思わず笑ってしまった。