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カミュと別れた後、課せられた仕事に手を付けようにも真斗がいなければ話にならない。
そう思って、早速真斗を捜しに男子寮に来たわけだが…どこから捜そうか。やはり、ここは真斗の部屋か?しかし、最近京都へ帰省したと聞いたがまだ帰ってきていないのかもしれない
そんな憶測をする間にも、足は自然と動き、真斗の部屋に着いてしまった。
ここはやはり行くべきか。居なかったら居なかったらでその時だ。
世羅はそう決心していざ、扉をノックしようとしたときちょうど内側から扉が開いた。邪魔だと思い数歩下がれば内側から出てきたのは、
「世羅?」
「…蘭丸」
出てきたのは蘭丸。彼は部屋の前に世羅がいたことに驚いているのか左右色が違う目を大きく見開いている。
世羅としては期待した人物ではなかったとはいえ、真斗の行方を知ってそうな人物の一人としてここは聞いてみた。
「何か用か?」
「蘭丸、聖川君は今どこに居るか知っているか?…まだ京都に居るのならまた出直すが…」
「真斗?…さあな、京都に行ったってのは聞いたが帰ってきたかどうかは知らねえ」
「そうか。まあ、彼もオーディションがあるからきっと今日中には帰って来るだろう。…すまない、ありがとう」
そう言って、踵を返してまた捜しに出ようと足を進めようとしたがその足は進まなかった。
蘭丸が世羅の腕を掴んで引き留めているのだから。
「…どうした」
「…いや、何でもねえ。…そういや嶺二の奴が最近世羅がガキ共ばかり気にかけてるつって泣いてやがったぞ」
「何歳児だ、全く…」
嶺二の精神年齢の低さに毎度ながら呆れる。要は構ってくれ…ということだろう。
思わず溜め息が零れてしまう。そんな様子を見た蘭丸は、
「すまねえ、引き留めたりして」
「いや、大丈夫だ。協力感謝する」
そう言って今度こそ足を進めて男子寮を離れた。
少しだけ後ろ髪を引かれる気持ちになるのはどうしてだろう。
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「?愛島君。何をしているんだ?」
偶然通りかかった場所に何やら覗き込んでいるセシルの後姿を見つけ思わず声を掛けてしまったが。対するセシルはあまり気にしていないようで、世羅に向かって手招きをする。
その誘いに近寄れば、ダンスルームだったようで中を覗けば想像を絶する光景が目の前に映った。
それは、ライトアップされて女性とは反対側を向いて佇んでいる本日の世羅のお目当ての真斗と着物を着て頭には髪飾りを付けたまま綺麗に正座をしてポロポロ涙を流す、女せ…女性?
「愛島君、あの着物姿を着た女性は誰だ?」
「アレは女性ではありません。トキヤです」
嗚呼…何ということだ。今回この舞台の最大の見どころが抱擁だとは聞いていたが、まさか___
「聖川君…まさか」
「Yes.抱擁ができません。だから、その代役をトキヤがやっているらしいのです」
絵的に大丈夫なのか?それは…世羅からしてみればとんだ地獄絵図だ。男と男が抱き合うのだろう?しかしそれはあくまで男性経験がない世羅からしてみれば、の話だが
「何故、態々?七海君とか居るじゃないか」
「ワタシも今そう思いました」
どうやら、セシルとは利害が一致するようだ。
「それにしても…セラはどうしてここに?」
「僕は聖川君に用があってな、…そういう愛島君は?」
「…セシルでいいですよ。ワタシはマサトの様子が気になったのです」
「なるほど…思いは皆一緒か」
そう呟くと、覗いていた扉から顔を離してきた道へと戻る後ろからセシルがいいのかと声を掛けてきたが一言ああ。と返事をして立ち去った。
▽オーディション当日
世羅は翔の時と同様オーディション会場には真斗に同行した。
待合室にはやはり人気作の主役を勝ち取らんとばかりに広がる大勢の俳優たち。
その殆どが顔は隠せても"緊張"という言葉が表情に出ているが、一方で隣に座っている真斗に視線を向ければ彼は至って冷静だった。
「…緊張しないのか」
「…しないわけではありません。しかし、緊張して力が入ってしまえば本来の力を出せない。それは今日の為に共に頑張ってくれた、協力してくれた仲間に申し訳ない」
なるほど。と納得したが先日よりもどこか顔がすっきりしているように見えるのが気のせいだろうか。
「どうやら、誰かに素敵なアドバイスを貰ったらしい。」
「っ」
「顔に出ているぞ」
そう言い終わったのとほぼ同時にスタッフから声を掛けられる。
「早乙女先輩…」
「世羅でいい。さ、行って来い。僕が言うのも何だが…努力は裏切らない。君の本気を見せてくれ」
「…はい」
そう真っ直ぐに返事をした真斗は今舞台に立った。
それを見送った瞬間、頭に激痛が走りふっと力が抜けたように机に頭を付けてそのまま頭を抱えた。
周りの一部の人間は大丈夫かと声を掛けるも反応なし。
暫くして、痛みが治まったのか顔を上げれば何やらすごい人が世羅を囲んでいた
何事かと思ったらどうやら彼女の異変に気づき一人がスタッフに声を掛けたのだろう。
周りにいた俳優。そして、スタッフに謝罪して会場を後にする。
予め、真斗には帰りは別行動といってあるにで問題ないだろう。
それにしても…
「何だったんだ?あの痛みは」
その痛みの正体を彼女が知るのはまだまだ…先のお話
後日、真斗がオーディションに合格したと報告を受けた世羅はこの日は柄にもなく、先日交換した真斗のアドレスにメッセージを付けて送ったのだった。
そして、一方で、真斗の携帯にメールが入ったのを気づき開ければ、メールの送り主に驚くもその内容に思わず笑みが零れた真斗であった
「ふっ、彼女らしい…」
From:世羅さん
Sub:おめでとう
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オーディション合格おめでとう
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「ん?聖川がメールだなんて珍しいな」
ちょうどシャワーを浴び終わったのか艶やかな橙髪に滴る水滴を拭き取りながら聖川の携帯を覗き込むレン。
そして、彼は真斗に送って来たメールの主が世羅だということに驚いたであろう。
「お前、いつの間に世羅さんとアドレスを交換したのか」
「同伴してもらったときに教えていただいた」
「へえ、オレも教えてもらおうかな」
「やめておけ。あまり異性と連絡を取ったことがないとおっしゃっているし、お前が交換したら頻繁になるだろう」
「ふう、言ってくれるね」
▽一方
「シャイニー、ちょっといいかしら?」
「Oh!奇遇ですねィmeもちょうど林檎サーンと話したかったんですねー!」
もう暗く、マスターコースのメンバーも眠りに落ちていた頃社長室に現るは二人の男女。
「シャイニーはもう聞いたと思うけど…せーちゃんのこと」
「oh…やはりそう来ましたかー」
「ねえ…シャイニー、いつまで黙っていればいいの?」
「林檎サーン。そのことが気になるのはmeも百も承知。バットゥォ!それを聞くのは無しだと約束したぁじゃありませんかー?」
「そうね。確かに約束したわ…でも、あれからもう4年よ?これ以上引き延ばしにして真実を知ったとき…せーちゃんはどうなるの?…彼女が苦しむんだったら今のうちに知ってもらった方がっ」
「…ではもし、真実を言ったとして…4年も黙っていた我々をあいつはどう見る」
「っ!」
それは林檎自身も分かりきっていること…もしそんなことをしたら本当に彼女は、
「…人間を信じれなくなる」
林檎の心を読んだのか、代弁して言い放ったシャイニー。
「それに、同じ空間を過ごしているあの鋭いカレが気づかないとでも思っているのデスカ?」
「…でも、カレに限ってそんなこと…っまさか!」
「YES,その為に世羅をST☆RISHにつけたのデース!あとは、カレさえ気づけば…完璧だ」
全ては、【カレ】が引き起こし、【彼女】を壊した。いつか時が来たらその代償は、【カレ】自身に払ってもらおう。