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「…っ」

『私は貴女を信じています』
『貴女なんか生まれてこなければよかったのよ!』
『お前は我が家の恥さらしだ』

何だ、何なんだよ。

『貴女には失望しました。』


「っ!!」

その一言に世羅は大きく目を見開いて目覚めた。
部屋には暖かい日差しが窓を照らしていることと壁に掛かっている時計を眺めて先程からあまり時間がたっていないことが分かる。
もぞもぞと動きながら重い体を起こした
その体には無数に流れる汗が…。

「はぁ…はぁ またこの夢か」

世羅は夢に出てきた人物を思い出そうにも皆目検討もつかない。
只々毎夜毎夜彼に脅かされ睡魔を殺し再び眼が覚める。

「最近寝れてない。今度林檎に聞いてみるか」

そう言って、軽く身だしなみを整えて部屋を出た。

―――中庭

「で、お前ら何をやっているんだ」
「カミュによる特訓だよセラ」

「特訓?僕にはカルタ大会にしか見えないが」
「新人には丁度いいだろ」

「で、僕ちんたちは可愛い後輩くんたちのお手並み拝見しに来たんだよー!」
「あの無礼者に可愛いもあるか」


そう言いながらも世羅はST☆RISHのカルタ大会をぼぅっと眺めていると、ST☆RISHと争うのは普通QUARTET NIGHTの彼らだと思っていたが、その当人たちは今自分の隣にいる訳で…ということは個人戦か。

「特大カルタで個人戦?」
「違うよ。とんでもない新人が現れたんだよ」

"ほら"と言って指を差して示す藍に同じ差す方を見ると、確かにST☆RISHには居ない褐色の肌をした青年が張り切っている。


「…?誰だあれは」
「王子」
「・・・王子?」

確かにとんでもない新人だ。何だよ王子って…シャイニング事務所はあれか?最近は貴族や王族を取り入れることに力を入れているのか?

「王子を連れてきちゃ駄目だろう」
「それ言ったらきりないよせーちゃん」
「仕方ねぇだろ、親父には誰も逆らえねえんだから」
「まあ、ランマルの意見が妥当だね」


はぁと長い溜め息のあと引き続き彼らの戦いを眺めようと思ったのだが、どうやら決着が着いたようだ。

カルタの頭文字が書かれた丸いプレートが木に吊らされていたが、翔と謎の新人王子 ――セシルが取り合いになっていたところ、セシルが足場を崩し下の川に落下

しかも、セシルはどうやら水が苦手らしく足がつくのに溺れると恐れていたためか翔に指摘されるまで気がつかなかったらしい。
そのことに左隣の嶺二は泣くほど面白かったのか爆笑している。

「あははっ、イイ!後輩くんイイ!」
「性格悪い」

「うぅ…酷いです」

と、愚痴を溢したが束の間、セシルが川から出ようとしたら、彼が川に落ちた反動で陸地に魚が起き上がっていた。ピチャピチャと藻掻きながら必死に川へ帰ろうとする姿がセシルには悍ましく思ったのか、王子ならぬ奇声をあげた


「にゃあぁぁぁぁ!魚はダメですぅぅぅ!」

それを見ていたQUARTET NIGTの3人と世羅の計4人は口々に情けないといった表情で呟く。

「ありゃ、棄権だな」
「えー」
「データによると彼は砂漠出身で水と魚が苦手らしいね」
「全く根性のない王族だな」


去っていったセシルを見ていたカミュも期待外れといった表情でふんっと鼻で笑った。
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