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「まったく…どう考えたら一国の王子を連れ込もうと思うんだっ。国際問題になるぞ!下手したら戦争だ!」
「まあまあ…せーちゃん。シャイニーさんが考えていることなんて誰も分かんないよ〜」

ロビーに続く廊下にQUARTET NIGHTと世羅の5人が歩いており、その一同の先頭にはカミュが腕を組んで眉間に皺を寄せてご立腹だ。

「それにしても、お手付きとはいえ…あの新人よくやるね。素人でしょ」
「あれは唯の理解力と瞬発力が要するだけだし、称賛するに値しない」

「厳し〜い。せーちゃんもう少し柔らかく、優しく、だよ!いつまでもそんなんじゃ後輩くんたちは疎か後輩ちゃんまでビビらせちゃうよ〜」
「もう充分ビビらせている」

嶺二が忠告するも最早既に遅い状況下だ。完全に嫌われまたは悪役だ。
どちらかが謝らない限り、この敵対関係は変わらないだろう。


「今は僕のことなんかより…そこの伯爵殿だろう。アイドルらしからぬ表情だ」

そう言うや否やロビーに着き肝心のセシルを探すもどこもおらず、ただ、ソファにST☆RISHと春歌が囲んで何タラ見下ろしており、その注目の的が起き上がった。その人物が件の問題児であった。

「愛島ァァァ!!」

そう、カミュが血眼になって探していた脱走したセシルだった。
しかし、当のセシルは寝惚けているのかカミュがいないことを良いことに分からず屋やれ笑っちゃうなどと紡がれる数々の暴言にカミュの眉間に青筋がまた増えた。

「っ!表へ出ろ!」
「か、カミュ!?何ですか!ワタシが何をしたって言うんですか!」

カミュ!!と最後まで理解できないまま強引に連れ去られてしまって、辺りはしーんと沈黙した
そんな沈黙を破ったのは世羅だった

「さ、厄介者が去ったんだ、僕は帰って寝ようかな」
「せーちゃん、仕事しようか」

「あのっ!」

世羅がこの場を立ち去ろうとしたとき、大きな声が彼女を引き留めた。

「…何か用かな?……来栖君」

「さ、早乙女先輩俺、あんたに失礼なことを言って…その…すみませんでした!」

ガバッと効果音が付きそうなほど深く勢いに任せ腰を曲げた。
それをカミュとセシルの外国人コンビを除く全員が目撃した。
そんな中、嶺二がどうするんだ的な困惑と期待が籠った視線を世羅に向けるも当の本人はさして動揺することがない。
まるで興味がないと言わんばかりの態度だ。

「別に良いよ」
「…え」

ふと世羅が口を開いたと思ったらそんなことを言い出して翔を含めほとんどが疑問であった。

「別に良いよって言ったんだ。謝ることじゃないし別に許しを乞う必要もないし、君も妥協して僕を許さなくたって良い。妥協された方は寧ろ惨めになる」

「そんなことっ、…確かにあんたが言っていることは皮肉だ。でも、それは長年経験しているからこそ言えることだと気づいたんだ。だから…」
「お人好しだな」

翔の意見を区切るようにして遮り慈悲もない言葉を投げかける世羅。
それには流石に周りの人間も軽く眉を顰めた。

「せーちゃん?」
「僕は別に自分が正論であろうと思ってあんなことを言ったんだ。人は誰しも意見することは自分が正論であることを酷く思い込んですることだ。…君達だってそうだろう?」

世羅の前に佇む七海を含むST☆RISHの7人だけでなく背後に立つカミュを覗くQUARTET NIGHTの3人を目線だけで一瞥して問いかける。

そうしてST☆RISHの彼らより一歩前に出ている翔に近づけば、また何かされるのではないかと警戒態勢に入るST☆RISH。
それに構わず世羅はこう続けた。

「実はね、先輩や目上の人に意見ってかなり難しいんだ。先輩の圧力や威厳が強ければ強いほど己の立場としての振る舞いが制限される。だからそんな中で刃向かう君は勇敢だ」

世羅は翔の目の前に立ち彼女よりも少し低身長な彼の肩に手を置きこう言った。

「だから、君は正しい」
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