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僕の分は?と聞いてくる恭弥にちゃっかり食べるんですね、と笑いながらガトーショコラを用意する。
どうやら恭弥は甘いものが結構好きなようで紅茶と一緒に喜んで食べていた。
その様子を見ながら紅茶をいれていると恭弥が思い出したようにフォークを置く。
「そういえばどうするの?」
「…?何がでしょう?」
「パーティーだよ」
パーティー?一体何の話だろう?
そう首を傾げるとどうやら私が知らないことを察してくれたようで「今度あるんだよ」と教えてくれた。
どうやらそのパーティーは内輪のものらしく、同盟ファミリーなどに私を紹介することが目的らしい。
…沢田様はさっきそんなことを一言もおっしゃっていなかったけれど……
「…あぁ、そういえばまだ沢田には言ってなかったんだっけ」
「それなら知らないですよ!」
「幹部のじいさん達がうるさいから勘違いしてたよ」
早くパーティーをしろしろうるさくてね。
と、明らかにうんざりした顔をする恭弥に少し同情した。
どのファミリーでもやはり重鎮と呼ばれる年配の方は若い幹部と衝突するものなのね…
苦笑していると「…で、どうするの?」と再び質問。
どうするの、と言われても…それは私選択の余地がないのでは?
「沢田様のパートナーとしてちゃんと挨拶周りしますよ」
「…へぇ。まぁ君が行くなら僕も出席するのも悪くないね」
小鳥さんと戯れながらそう言った恭弥に私も心強いです、と返した。
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