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感動の再会をクロアがずっと黙って見ているわけなく、抱き締めていたリボーンに銃を一発。
それを避けてリボーンは姫を横抱きにすると…まさかの俺に放り投げてきた。
えええまじかよ!?と内心驚きながらも姫の体を受け止める。
受け止めたのが俺とわかったのか姫が「沢田様…」と呟いて俺を見つめた。
その視線が何故か気恥ずかしくてわざと目線を外すと姫の体をぎゅっと抱き締めてリボーンに目配りする。

―――姫を連れて逃げる。あとは、任せた。


そう心で言えば読心術を持つリボーンは聞こえたのか小さく笑った。




「…生意気になりやがって」




その言葉を合図に俺はリボーンに背を向けて走り出していた。
ちゃんと掴まるように姫に言うと軽く腕が体を支えるように抱きついてくる。
一緒にきていた山本にリボーンのアシストを頼んで姫を連れて逃げた。




「…沢田様、申し訳ありません。このようなご迷惑を…」

「迷惑なんて思ってない。思ってたら…助けたりしないよ」

「…ありがとうございます」

「……怪我は?」

「え、あ…ありません」




少し驚いたように戸惑いながらもないと答えた姫に少なからず安堵する。
よかった、と小さく笑うと姫は微かに頬を赤く染めて再び俯いた。
そんな反応にこちらが照れそうになっていると小さな影が目の前に飛び出してきた。

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