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結婚して夫婦となれば同居するのは当然で、私はボンゴレの屋敷に住まうことになった。
引っ越しはすぐに終わり、私の部屋は沢田様の隣の部屋。
建前があることはわかるが隣とは……
とりあえず守護者様方にご挨拶に行かねばならないと思い、沢田様に教えて頂いた守護者様たちのお部屋へと向かう。

まず最初に嵐の守護者、獄寺隼人様。

トントン、と軽くドアを叩くとけだるそうな返事と共にドアが開き、煙草の香りがふわりと掠める。



「一体誰……っ、奥様!?」

「(奥様!?)…お初にお目にかかります、獄寺隼人様」

「申し訳ありません!!俺からご挨拶に伺おうと思っていたのですが…!」

「いえ…」



この獄寺隼人、一生の不覚だの何だの悔しがっている人がどうも優秀な右腕だと言われている獄寺様とは思えず、思わず部屋の場所を二度見してしまった。
…噂によると女性に無愛想だが、知略に長けた男性だと聞いていたのだけど…
見た目だけで知略に長けた人間かは判断できないが、とりあえず女性に無愛想というのは間違いのようだ。



「あの、そんなに気になさらないでください」

「何と優しいお言葉…!さすが、十代目の奥方です!」

「(何でこんな扱いなんでしょう?)えっと…私のことは奥様ではなく、姫と呼んでくださいね」

「とんでもないっス!奥方は奥方ですから!それより俺のことは隼人と呼んでください!」



獄寺様なんてがらじゃないんで!

にかっと笑いながらそう言われてしまって、完全に勢い負けをしてしまう。
こんなに気さくな方がボンゴレの守護者……
そう思ったら、ボスの沢田様とのギャップがおかしくて、ぽかんとした顔から思わず私まで笑ってしまった。



「……っ!」

「ふふっ…では、隼人様とお呼びしますね」

「…あ…は、はい!」



にっこり微笑めば隼人様も小さく笑い返してくれて、いい人だと改めて思った。

その後お茶でも、と勧められたが他の守護者様達への挨拶があるから、と丁重にお断りして、次の部屋を目指して歩きだした。

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