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流れる涙は止まることを知らずに流れ落ち続ける。
苦しい…胸が苦しい。まるで誰かに緩く首を絞められているみたい。
誰にも会いたくなくて、自室に鍵をかけるとベッドに潜り込む。
「…っ、つなよし…」
あんなに冷たくされても、さっきまで会っていたのに、会いたいと願ってしまう自分はなんて愚かなんだろう。
離れたくない。
側にいたい。
…愛されていなくても、ただ側に。
「…っ…、…つなよしっ…」
苦しい。
苦しいよ。
ーーーこんなに好きなのが、苦しい。
こんなに苦しいなら…こんな気持ち知らなければよかった。
『すごく、おいしい』
『綺麗だよ、姫』
『一生…俺の命をかけて、君を守ると誓う』
「つなよしっ…」
(そう溢れる気持ちに蓋をした)
ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ー
「どういうことだ、ツナ」
「…リボーン…」
バンッという勢いよく開いたドアの音と共に入ってきたリボーン。
今の自分が二番目に会いたくない、人間。
何故か怒気を含んだリボーンの雰囲気に怒る理由がわからない、と疑問に思いながらも何の表情も作ることができなかった。
つかつか、と俺に近づくと腑抜けた俺の胸ぐらを掴んで立たせる。
…いつもなら即座にその手を離させるのに、俺にはその気力さえ、ない。
「姫を手離すってのはマジなのか?」
「……あぁ」
「何でだ」
「それは…リボーンが一番わかってるんじゃない?」
俺が?とわからないとばかりに眉をひそめるリボーンに「しらばっくれるなよ」と吐き捨てる。
リボーンと姫が本当は想い合ってることくらい、知ってるんだ。
そう言ってやりたかったが姫の気持ちが他の男にあったことを自分で言いたくなくて黙りこむ。
そんな俺の態度にリボーンはチッと舌打ちすると乱暴に俺の体を突き飛ばした。
「お前、姫が好きだったんじゃねぇのか?」
「…………」
「また、自分の気持ち偽って手離すつもりか」
否定も肯定もしない俺にリボーンは「…ダメツナめ」と静かに呟いてボルサーノの鍔を下げた。
「今の腑抜け様じゃ狙われたら死ぬぞ」
「…そうだな」
「……勝手にしろ」
今のお前に姫を守る資格はねぇ。
そう言ってリボーンはこの部屋を出ていった。
…守る資格なんて最初からなかったんだ。
愛することも……
(愛しいと叫ぶ心は凍りついたのだから)
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