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―――場所変えて、イタリアの某所。
一仕事終わった雲雀は早く並盛に帰りたい、など思いながら報告書を打っていた。
ボンゴレの仕事なぞしたくない、と言いながらこなすところが雲雀らしい。
パチパチと手際よく打っていると後ろから気配なく草壁が現れる。
「恭さん」と一声かければ最初から草壁の気配に気づいていたようで「何」と短く返した。
「ボンゴレからの伝達があります」
「任務なら終わったけど」
「いえ、任務のことでなく、沢田さんと姫さんのことで…」
「あの二人のこと?一体何?」
流石の雲雀も興味があったのか、報告書を打つ手も止まる。
ついに姫が気持ちを伝えたか、と雲雀は予想を立てて期待半分で草壁の報告に耳を傾けた。
草壁は少しだけ言うことを躊躇うような仕草をしたが、すぐに事実を口にする。
「離婚されるようです」
「ふぅん。………は?」
最後の言葉が余りにもドスの効いた声だったからか草壁は反射的に逃げ出したくなった。
不機嫌な雲雀ほど草壁にとって怖いものはないのだろう。
しかし、これはあくまでボンゴレの綱吉と姫の話。
俺は何もしてないのだから、と言い聞かせてもう一度、はっきりと言い放った。
「離婚されるそう、ぐはぁっ!!」
「何してんの、あの小動物達は!」
馬鹿じゃないの、どうやったら離婚とかになるわけ、と苛々しているのかトンファーで手当たり次第めった打ちにしていく。
どうして自分がこんなにもあの二人にやきもきしないといけないのか。
自分の気持ちさっさとぶつけて粉々になるかうまくいくかすればいいものを。
いや、粉々になることはあの二人はないのだから、お互いの気持ちを知ればいいのだ。
それなのに離婚?オルマーノといざこざもないのに?
完全にただの行き違いじゃない。
周りのものが粉々になると雲雀も冷静を取り戻したのか、伸びている草壁を軽く蹴って意識を戻させた。
「車回して」
「お、お二人のところに行かれるので?」
「沢田のところにね」
血迷った小動物は咬み殺さなきゃ。
不敵な笑みを浮かべる雲雀はまさに修羅。
二人の寄りが戻る前に沢田さんが死ぬのでは…と草壁は不安になったのであった。
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