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「………で?」




はい?と首を傾げた姫に大きくため息をつきたくなった。
いや、はい?じゃないでしょ、はい?じゃ。

幸せそーなのはいいけど、頭まで幸せにならないでくれる?

そうも言いたかったがこらえるためにお茶を一口。


ーーーあれから数日後……

姫はボンゴレに帰ってきて、変わらない日々を過ごしている。
いや、変わらない、ということはないか。
沢田はあからさまに姫を大切にするようになって、今では毎日のように一緒にいる。
はっきり言ってかなり鬱陶しい。

事態も落ち着いたので姫を呼んであの後どうなったのか聞いたのだが、これもまたのろけとしか思えない。




「続きは?」

「…?ボンゴレに帰ってきました」

「は?じゃあ君の気持ちとか伝えてないわけ?」

「……。………!!!」




本当だ!!!と言わんばかりに固まる彼女に今度こそ「馬鹿?」と言いたくなった。

その流れなら普通自分の気持ちも伝えられるはずなのに。
一体どうしたら伝えずに終われるのか。
…沢田も沢田だな、聞けばいいものをただ姫が受け入れてくれたことだけで満足してるんだから。

呆れた、とばかり首をふると姫は情けない顔して僕を見上げた。




「私…いつ伝えればいいんですか…?」

「知らないよ」

「あぁもう、私何で言ってないのー!」




頭を抱え始める彼女の隣で悠々とお茶を啜る。

あ、茶柱。




「今日にでも言えば」

「今日ですか!?」

「うだうだしてても仕方ないでしょ」

「うっ…!た、確かに…」




うーん、としばらく葛藤していたのか唸っていたが、覚悟が決まったらしく、よしっと小さく気合いを入れる。

…あ、この茶菓子中々じゃない。また草壁にでも買いに行かせ「恭弥、私、行ってきます!」



ばたばたと走り去った姫の後ろ姿を見送って、小さく一言。




「…後で咬み殺す」

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